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ジェンダーや女性らしさや男性らしさってなんだろう?今こそ真の「女子力」について考える


ジェンダーや女性らしさや男性らしさってなんだろう

「女子力を上げたい!」

と考えて努力する人がいる一方で、

「女子力なんてくだらない」

と考える人がいます。

この違いは、「女子力」に対するとらえ方が違うから起こること。

じゃあ、真の女子力ってなんでしょうか?

そもそも「女らしい」とか「男らしい」って、一体なんなのでしょう。

今回は、「セックス」や「ジェンダー」といった専門用語も説明しながら、女子力とは何なのかということについて考えていきたいと思います。

「ジェンダー」や「セックス」って何?

女性も男性も生まれた時にそれぞれ「女性の身体」と「男性の身体」を持って生まれます。

この身体の違いを「セックス(=身体の性)」と呼んでいます。

そして、成長するにしたがって人それぞれに「女性らしさ」や「男性らしさ」が出てきます。

これを「ジェンダー(=社会的な性)」と呼びます。

しかし、この「女性らしさ」「男性らしさ」というジェンダーはその時々によって変化します。

時代であったり、また国の文化の違いでジェンダーは変わっていくんですね。

では試しに、あなたの思う、「女性らしい色」「男性らしい色」を教えてください。

・・・

どうなりましたか?

「女性らしい色」は赤やピンク、「男性らしい色」は青や水色と答えた方が多いのではないでしょうか。

でも、実は女性でも青や水色を身につけたって構わないし、男性が赤やピンクを着ていても何もおかしくないわけです。

しかし、私たちは幼い頃から、「『女性らしい色』は赤やピンク、『男性らしい色』は青や水色」と刷り込まれます。

おそらくその大きな理由のひとつに、お手洗いの表示があります。

赤の表示は女性、青の表示は男性と、長年の生活で刷り込まれています。

こういったいくつもの刷り込みによって、

「女はおしゃべりだ」

「男なんだから泣いちゃいけない」

「女は甘い食べ物が好きだ」

「男は暴力的だ」

「女は感情的だ」

「男は数学が得意だ」

「女は国語が得意だ」

「男は家を継がなくてはいけない」

「女はおしとやかでいるべきだ」

「男は家事をしなくていい」

「女は男よりも頭が悪い」

などという偏った価値観が完成します。

おしゃべりな女性は確かに多いですが、男性の中にもおしゃべりな人はいます。

数学が得意な女性も、逆に壊滅的にできない男性もいます。

喧嘩は嫌いだけど、家事が得意で、おしとやかな男性もいます。

しかし、私たちはなぜかそういったことのすべてを「女性らしい」とか「男性らしい」という言葉で説明しようとしてしまうのです。

よく考えてみると、女性だろうが男性だろうが「暴力的で喧嘩っ早い人」は嫌ですよね。

そしてまた逆に、「家事がうまくておしとやかな人」は女性だろうが男性だろうが魅力的です。

だから「男らしい」と思われていることも「女らしい」と思われていることも、長所と短所両方あるわけです。

つまり「男(女)らしいことはいいこと(悪いこと)だ」という結論は出せないんですよ。

嫌な女性らしさも、いい女性らしさも、嫌な男性らしさも、いい男性らしさもあるんですから。

今の世の中は男性の手によって作られた

私達のいる現代社会は、男性の手によって作られてきました。

そのことは、たとえば国会議員における男性の割合を見れば明らかでしょう。

「女性は幼い時は親に従い、結婚したら夫に従い、老いては子に従え」という言葉が今に残るくらいに、女性は男性に従うべき存在だとされてきましたし、今もそう思っている人が多いのです。

男性の手によって作られた社会では、当然の事ながら「男らしい」ことが重視され、「女らしい」ことは持ち込まれることが少ない。

仕事をバリバリこなして、敵を蹴り落として、出世していく……(まるで「半沢直樹」の世界ですね)。

でもバリバリやっていくのかっこいいかもしれないけど、蹴り落とすのって少し恐い「男性らしさ」でもあります。

そして、今は女性も働く時代です。

女社長だっていっぱいいます。

働くからには出世だってしたいし、仕事でやりがいを見つけたいと願う人は多いでしょう。

では女性が男性社会でうまくやっていくには、どうすればいいのでしょうか。

私達女性は、多かれ少なかれ「女性らしさ」を持っています。

この「女性らしさ」を、男性社会に入るときにどうすればいいんでしょう!?

さっぱりと捨ててしまう? それとも何か別の活用方法がある?

女性が男性のようになって頑張る時代から、女性らしさそのものが強みになる時代へ

以前の女性たちの多くは、男性社会に入るときに、次のように考えました。

「男と女は同じ存在だ。だから私達女も男と同じようにやらせてもらう」

彼女たちは動きやすい服装を身にまとい、髪の毛を短くして、メイクもろくにせず、がむしゃらに働きました。

つまり、彼女たちは「自分たちも男のようになって『男らしさ』を発揮し、男性社会でやっていく」ことを選んだのです。

これは、彼女たちの持っていた「女性らしさ」を手放した、ということになります。

この考えの裏には、「男と女はまったく同じ存在」という価値観が隠れています。

「男性のような女性」の出現に、多くの男性は怯えました。

彼らはそれまで知っていた女性ではない彼女たちを、「可愛げのない男性もどき」だととらえたのです。

男性もどきたちに自分たちの居場所を取られまいと、必死に抵抗し、時に彼女たちにひどいことを言ったり、やったりしました。

一方、現代では状況が変わってきています。

先ほども言ったように、女性らしさや男性らしさの中には、嫌な女性らしさも、いい女性らしさも、嫌な男性らしさも、いい男性らしさもあります。

そして、「男と女は異なる存在」という価値観が出てきました。

男と女はお互いに同じ権利を持ってはいるけれど、やはり根本的には少し違う存在であるという考えですね。

そして、「男のようになって男らしさを(少し無理をしてでも)獲得し、男性社会でやっていく」のではなくて、「女らしさを発揮して、男性社会でやっていく」という考え方へのシフトしてきているのです。

キラキラしたものや明るいファッション、可愛いものに綺麗なもの、他人への細やかな気遣い、優しいアドバイスや接し方。

そういった、「女性らしい」とされるものを利用して、暴力的に相手を蹴落とすのではなく、しなやかに自分が選ばれるようになることを目指すあり方です。

この女性たちは男性たちにとって、「自分たちの居場所を取ろうとする、可愛げのない男性もどき」ではなく、「どうやら自分たちとは少し違う居場所を見つけているらしい、可愛げのある女性」です。そのため、あまりひどいことを言ったり、やったりはしません。

これまで男性社会で価値が無いとされてきた「女性らしさ」を、強みにできる時代がようやくやってきたのです。

このことで得をするのは、男性ばかりではありません。

「男らしくしていなければならない」「なよなよしていて頼りない」なんて言われて苦しんでいた、「女性らしさ」を持った男性たちも、評価される可能性のある時代になってきた、ということなのです。

「女らしい」ことを発揮するのは、媚(こ)びなのか?

女性らしさを発揮して男性社会に入ろう、なんて言うと「それって男性に媚(こ)びろってこと?」なんて反発の声が聞こえてきそうです。

でも私が言いたいのは、そういうことではありません。

男性に甘えたり、性的に誘惑して仕事を得ようとしたり、涙を使って自分に有利に事を進めようとすれば、それは間違いなく媚びです。

これは先ほどの、「嫌な女らしさ」に当たるでしょう。

でも、細やかな気遣いと丁寧な仕事、女性ならではの発想で一目置かれた結果、仕事を得たんだとすれば、それはあなたの努力です。

これが「いい女らしさ」、つまり女子力です。

どうやら、「女子力」と言った時に、「いい女らしさ」も「悪い女らしさ」もごっちゃにとらえてしまっている人が多いみたいです。

だから、「女子力アップ」なんていう言葉に、あざとさを感じてうんざりしてしまう人もいます。

でも、女子力って自分のためだけのものではなく、誰かを少し嬉しくさせる心遣いのことなんだと思います。

「これっていい女らしさかな? というかそもそも、人間としていいことだろうか?」

と考えながら、あなたのいい女らしさ――女子力――を磨いてほしいと思います。

人間はみんな「男らしさ」と「女らしさ」の混じったものでできている

一見すごく女らしい服装やメイクなのに、話してみるとパワフルでバリバリ働く女性だったり。

頼りがいがあって男らしいと思っていた男性が、意外と家庭的で繊細だったり。

そういったギャップって、きっと誰しもが持っていると思います。

実は、人間はみんな「男らしさ」と「女らしさ」の混じったものでできていると言っていいでしょう。

元モデルの美容研究家、神崎恵さんはとても可愛くて美しい女性ですが、実は内面はかなりさっぱりとした方です。

彼女がどこかの番組で、以下のようなことを言っていたのが印象に残っています。

「私は中身はわりと男っぽい、だからこそ外見の女らしさで、バランスをとっているんです」

レース素材の服、ふんわりとしたチークや、ツヤツヤの長い髪は「女性らしい」と言われる代表のようなもの。

彼女はそれを味方につけて、よりよい人生を送っているのだと思いました。

これを読んでいるあなたも、「男らしさ」と「女らしさ」が混じっているはず。

せっかくだから、「いい男らしさ」と「いい女らしさ」の両方を身につけて、人生を楽しんでみませんか?

この2つを持つことで生まれるギャップすらも、あなたのチャームポイントになるはず。

外見の女らしさは、私達の恋愛においてもビジネスにおいても、強力な武器となります。

武器とは言っても、それはきっとピストルのような恐いものではなく、宝石のような「大切にしたい」と思わせる魔性の魅力に違いありません。

この宝石のような魅力こそ、真の「女子力」なのです。

最後に

いかがでしたか。

あなたの「いい女らしさ」という女子力を発揮して、輝く人生を手に入れましょう。


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水嶋英美里

水嶋英美里

ライター。文学系の大学院を修了しており、国語科の教員免許持ち。コラムは根拠のないテクニック紹介にならないよう、「なぜこうすれば結果が得られるのか」といった部分まで踏み込んで書くことが得意。猫と文学とカモミールティーを愛する。