「あの人とうまくいかなから、学校にいきたくないなぁ」
「あの上司さえ変わってくれたら、もっと仕事がやりやすくなるのに」
あなたは人間関係で、こんな悩みを抱えていませんか?
人の抱える悩みのほとんどは、人間関係だと言われています。
「にっちもさっちもいかないから、もうどうでもいい!」
なんてヤケになる前に、人間関係に役立つ「選択理論」について学んでみましょう。
あなたの悩みの解決の糸口になるかもしれません。
人間関係でうまくやれて、いつも笑顔の女性はきっと女子力のある素敵な人。
選択理論とは何か?
選択理論は、正しくは「選択理論心理学」と言います。
これは1965年に、アメリカのグラッサー博士が発表したもの。
このネーミングからもわかるように、この理論では「選択」が大きなポイントです。
選択理論は「すべての選択は自分自身の選択である」と考える心理学です。
これだけではすこしわかりにくいので、次から具体的な例を挙げて見ていきましょう。
まずは具体例を見てみよう! バイト先での出来事――できない新入りAくん
あなたは大学生のアルバイト。
仕事はできる方なので、最近では新しく入ったバイトの教育係もやっています。
ところが最近入ってきたAくんは、驚くほど仕事ができない。
あなたが何度言ってもメモも取らずに、ミスばかりします。
上司に相談はしたけれど、忙しいこともあってあまり真剣にとりあってくれません。
さて、あなたはどう行動しましょう?
以下の選択肢から選んでください。
1、「これはこうやるの! しっかりしてよ」と注意し続け、他のバイトの前でもあえて叱る。
2、泣き落として「どうしてわかってくれないの」と伝える。
3、注意しても効果がないので、Aくんのミスのたびに、嫌味を言ったり、ため息をついたりして自分のイライラを相手に伝えようとする。
4、その他
……どれを選びましたか?
4を選んだ方は具体的にはどうするか、というところまで答えてくださいね。
選択理論の考え方
実はこの1~4の選択肢のうち、123の根本は同じなんです。
1は他のバイトの前で叱ることにより、Aくんに罰を与えています。それが真実であろうが、そうでなかろうが、Aくんを吊るし上げる行為には代わりはないからです。これは「罰を受けたくなければお前が変われ」と言ってることと同じです。
2は泣くことを武器にし、Aくんに「変わってもらおう」としています。
また、3は不機嫌な気持ちを態度でほのめかすことで、「こんなに私がイライラしていることを察しろ。お前は使える人材になれ」と脅しています。
つまり、いずれも「Aくんが変わるように」働きかけているということになります。
しかし、先ほども述べたように、選択理論の考えによると「すべての選択は自分自身の選択である」なのです。
ですから、あなたがどの選択肢の行動をしたにしても、Aくんが結局どうするのか(ミスをしないようにメモをとるようになるのか、はたまた仕事をやめてしまうのか)という選択はAくん自身に任されているということです。
そしてまた逆に考えてみましょう。
もしも、あなたがAくん側だったとします。
あなたは「頑張っているつもりだけど、仕事ができない」ことで悩んでいます。
このような時に、教育係に1~3のような行動をとられたら、きっと落ち込みますよね。
そして、そのような教育係の行動を、失敗の多い自分が「させてしまっている」と思うかもしれません。
ですが、これも違います。
教育係もまた、「自分自身で選択して」その行動をとっているのです。
そして、1~3の行動を分解すると、「Aくんのミスが多くて、教育係のあなた自身が困っていることをAくんに伝える」+「脅しや威嚇の行動」となっていることがわかります。
ですが、実はここで真に必要なのは「Aくんのミスが多くて、教育係のあなた自身が困っていることをAくんに伝える」ことだけなのです。
「脅しや威嚇の行動」はあなたが勝手に付け加えてしまった、いらないオプションなのです。
だからこのオプションは取り去ってしまいましょう。
罰を与える必要なく、「Aくんのミスが多くて、教育係のあなた自身が困っていること」を、二人きりの時にさりげなく伝えてあげればいいのです。
4を選んだあなたは、ここまで答えることができましたか?
もちろん、4に該当する正解は一つではないと思うので、あなたのいいと思う方法を考えてみてください。
人へのお願いは「命令」ではなく「リクエスト」にすぎない
この「脅しや威嚇の行動」というオプションを取り払うことに不安感を覚える人もいるかもしれません。
しかし、またAくんの立場で考えてみましょう。
1~3のような、「脅しや威嚇の行動」を取るような性格の人の言うことを、積極的に聞きたいと思うでしょうか? きっと思いませんよね。
「Aくんのミスが多くて、教育係のあなた自身が困っていることをAくんに伝える」ことをしたとしても、これは決して命令ではありません。言うなれば「お願い」や、「リクエスト」にすぎません。そしてそのリクエストを受け入れるか、やめておくのか、それはAくんの判断に任されます。
嫌な人よりも、いい人のリクエストを聞きたくなるのは、人として当然です。
だから、リクエストに答えてもらうには、結局のところ、Aくんと事前に良い関係性を築いていなければいけません。相手に「脅しや威嚇の行動」をとると、良い関係性が築けなくなってしまい、悪循環に突入してしまうのです。
ちなみに、この「脅しや威嚇の行動」で、本来相手の判断をコントロールしようとすることを、選択理論では「外部コントロール」と呼んでいます。
外部コントロールは、私たちにとって非常に馴染み深い考え方なので、この考え方のままに大人になってしまっている人が数多くいます。
しかし、選択理論の考え方を知ると、外部コントロールの考え方が、少々乱暴なことにきっと気がつくでしょう。
選択理論は過去との付き合い方も変えてくれる
選択理論は、私達の過去の出来事との付き合い方も変えてくれます。
よく話に聞くのが、「過去にああいうことがあったから、私はこうなってしまった」という話です。
「あの時の元彼にこっぴどくふられたせいで、男性不信になってしまった」とかね。
でもよく考えてみると、彼にこっぴどくふられようがそうでなかろうが、男性不信になる人もいればならない人もいるわけです。
過去の出来事を把握して「どうやらそれに原因がありそうだ」と推測するところまではいいですが、それを前に進まない理由にするのは良くないんです。
先ほどのバイト先の例でも、「Aくんは私を怒らせた!」とあなたがいくら感じたとしても、正確にはあなたが勝手に怒ってるってことなんです(参考「【イライラ解消】怒りの感情のコントロールの方法」)。
過去の出来事の受け取り方を変える、という意味では以前の記事「マーフィーの法則って?恋愛と潜在意識の話」でも触れました。
ここではむしろ、失恋などの辛い経験を「次に進むことができた機会だった」として肯定的に受け止めていました。
過去の辛い出来事に対して、
「価値観の変わるいい機会だったと見るか、特に意味がないなんでもない出来事と見るか、自分が悪かったと落ち込むかなど、選択するのは私の自由!」
そう思えばいいのです。
自分で選べるのであれば、あなたの気持ちが楽になる選択をしたほうが絶対に良いと思いませんか?
外部コントロールを使う人はスルーでいい
あなたが選択理論の考え方を知っていてずいぶん楽になっても、問題は残されます。
それは、外部コントロールの考え方の人は、世の中にまだまだたくさんいるということ!
学校や職場などで、「脅しや威嚇の行動」をし、あなたをコントロールしようとする人は必ずあらわれます。
そういう時は、受け流してスルーするのがいいでしょう。
外部コントロールの人の考え方を、私達が命令して変えることはできません(そしたら外部コントロール合戦になってしまいます!)。
「ああ、これは外部コントロールだ」
と、見ぬくことができるだけで、かなり楽になります。
それに、外部コントロールをしてくる人がいたとしても、結局はあなたはあなたの選択で動くことができるのですから。
最後に
いかがでしたか。
選択理論心理学に限らずですが、世の中には役立つ知識であふれています。
自分に合うと思ったものがあれば、ぜひ積極的に取り入れていきましょう!
知識であなた自身を守ることが、結局は女子力アップにもつながるのです。