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「最小関心の原理」ってなに?安野モヨコ『ラブマスターX』から学ぼう!


「最小関心の原理」ってなに?安野モヨコ『ラブマスターX』から学ぼう

「惚れた弱み」なんてよく言ったもので、好きな相手には、ついつい尽くしてなんでも言うことを聞いてしまいがちです。

実はこの裏には、「最小関心の原理」と言われる心理的な内面の動きがあるそう。

その原理によると、どうやら「恋愛関係においては、より相手への関心の少ない側が主導権を握る」らしい!?

今回はこの原理について、安野モヨコの漫画『ラブマスターX』を通してわかりやすく学んでいきましょう。

きっとあなたの片思いに役立つはずです。

恋愛における「最小関心の原理(法則)」とは?

最小関心の原理は、最小関心の法則とも言う、心の動きのこと。

内容は、「恋愛関係は相手への関心がより少ない側が主導権を握って、強い立場となる」というものです。

恋愛関係においては、必ず一方は「追う側」、他方は「追われる側」になっているということは、あなたもよくお分かりになるのではないでしょうか。

恋愛の初期では

「付き合ってください!」

と告白するのは、言うまでもなく「追う側」。

それに対して

「はい」

と応じるのは「追われる側」です。

追う側は相手のことを強く強く求めている――つまりは絶対に手放したくない、と考えています。

だから相手が多少理不尽なことをしても、やすやすと別れようとはしないし、ご機嫌をとろうとすることさえあります。

こうして、恋愛関係はいつの間にか立場の強い者・立場の弱い者に振り分けられるのです。

追う側と追われる側は変化する――安野モヨコ『ラブマスターX』のあらすじ

しかし、この最小関心の原理の「追う側」「追われる側」は、ずーーっと立場が変化しないわけではありません。「追う側」と「追われる側」のバランスが変わるということもしょっちゅう起こります。

このことについて実にわかりやすく描いている漫画が、安野モヨコの『ラブマスターX』という作品です。

まずは簡単な核心のネタバレ無しのあらすじからご紹介します。


主人公はナオという中学二年生の女の子。同じ学校の三年生、アラタに片思いをしています。

冬休みが間近に迫ったある日、ナオは思い切って「スキです 付き合ってください!」とアラタに告白してその場からダッシュして去ります。それに対してのアラタの反応は「てゆうか誰……」。

アラタは同学年の美少女ユリナのことが好きで、ナオのことなんて全く知らなかったのです。

ナオの家族やアラタの兄、ユリナの姉など、同じ団地に住む人々の恋愛が同時に進行する群像劇です。

恋愛は常に残酷な心変わりと隣り合わせ

『ラブマスターX』が面白いのは、「自分の好きな彼から愛されてハッピーエンド♪」という単純なストーリーにはなっていないところです。

当初は思い寄せている先が

ナオ→アラタ→ユリナ→(他の男性)

となっているのですが、これがいつしか逆転し、

ナオ←アラタ←ユリナ←(他の男性)

という風に変化します。

「最小関心の原理」の通り、追われている側が相手を足蹴にし、追う側は必死。

また、ナオのアラタへの心情の変化は「大好き」というかなり肯定的なものから、「なんとも思わない」というレベルを飛び越え「気持ち悪い」という否定的なものに変化してしまいます。

この変化を見て、ある登場人物は言います。

「かわいそうだな… あの先輩 素直に従っただけなのにね ナオちゃんにスキって言われたから スキになった…だけ」

まさにこの人物の言うとおり、とても身勝手。

しかし、恋愛はこんな残酷さと常に隣り合わせなのです。

あなたと彼との「好き」のバランスは常に変っていくもの!?

ナオとアラタのように、どちらかが「好き」なのに、どちらかが「気持ち悪い」という風になってしまうと、当然のことながら、お付き合いを続けていくことは難しくなってしまいます。

ですから、恋愛関係にあるカップルは、「大好き」「好き」「まぁ好き」「嫌いじゃない」といった感情を行き来しつつ、あまりにも差が出ないようにバランスよく付き合っているのです。

あくまでも相手との比較においてなので、一方が「大好き」で、他方が「まぁ好き」であっても両思いだと言えます。

その場合は最小関心の原理に従い、「まぁ好き」と思っている側が、主導権を握れます。

そしてそのバランスは「大好き」同士、「好き」と「まぁ好き」、「大好き」と「好き」などと常に変化します。

たとえば、告白した側は明らかに最初は「追う側」ですが、だんだんと告白された側が入れ込んでいき、いつの間にか「追う側」と「追われる側」が入れ替わってしまうというパターンもよく見かけますよね。

バランスが大きく崩れているときは、片方が片方を重く感じているということ。

「大好き」「嫌いじゃない」くらいの時には、「大好き」「嫌い」に振りきれないように心配りしなくてはいけません。

そうでなけば、ナオとアラタのようなすれ違いが生まれてしまうのです。

「追われる側」になるための具体的方法――片思いの相手には時にクールに接する

恋愛を継続させるには、好きの範囲内でお互いのバランスを取っていけばいい。

ですが、本音を言えば、愛されて追われる側になりたくはないですか?

あなたは片思いの彼に対して深い愛情を持っていますよね。

だからその想いが爆発して、彼にアレコレ世話を焼いて、なんなら告白も自分からしようとしているかもしれません。

しかし、その方針はちょっと問題です!

最小関心の原理によって、相手が主導権を握ることになってしまうからですね。

でもあなたは彼のことが大好きで、気持ちを変えることはできません。

大丈夫、何も「彼のことを嫌いになれ」なんて言っていません。

あなたは自分の「大好き!!!」な気持ちをひた隠し、相手にクールに接すればいいのです。

具体的には

●自分からは電話をかけない

●LINEやメールは相手より短文でシンプルに返す

●予定を立てるときなど、なんでも相手優先にしない

●告白は相手にさせる(重要!)

お付き合いが始まる前、そして始まった後も最小関心の原理を思い出して、相手にクールに接するようにしましょう。

高飛車な態度や無礼な行動を取れ、と言っているわけではありません。四六時中相手を想うあまりに行動を起こしてしまい、彼に「俺、追われてるな~」と感じさせないようすればいいのです。

実際に彼に会っているときは、優しいいつものあなたでいてくださいね!

最後に

いかがでしたか。

片思いの相手と接している中で「あ、私のほうが相手より気持ちが強くなってしまってる」と感じたら、一歩引いてクールに接してみてください。

これはお付き合いが始まった後も同様です。

『ラブマスターX』は安野モヨコの作品の中では知名度は高くありませんが、とても良く出来た物語で、さまざまな発見ができるおすすめの漫画です。

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水嶋英美里

水嶋英美里

ライター。文学系の大学院を修了しており、国語科の教員免許持ち。コラムは根拠のないテクニック紹介にならないよう、「なぜこうすれば結果が得られるのか」といった部分まで踏み込んで書くことが得意。猫と文学とカモミールティーを愛する。