「幸せになりたい!」
そう人間はみんな思っています。あなたも私もそうですよね。
でも「私ってすごく不幸!」と感じ、落ち込んでしまうこともありますよね。
それに「幸せ」と一口に言っても、何が幸せなのか、それがどこにあるのか、どうしたら手に入るのかわからない……。
フランスの劇作家メーテルリンクは、人間のそういう気持ちを「青い鳥」という童話劇で描きました。チルチルとミチルが幸せの青い鳥を探しに行く物語を聞いたことがある人もいるはず。
今回は幸せになりたいすべての人に捧げる、幸せになるための方法です。
人間はみんな幸せに「ならなきゃいけない」!?
よく「人間はみんな幸せになる権利がある」ということを言いますよね。
しかし実はこれって少し違うなぁと思っています。
誤解を恐れずに言うと、「人間はみんな幸せになる義務がある」のです。
つまり「人間はみんな幸せにならなきゃいけない」ということ! もちろん、これを読んでいるあなたも。
「ならなきゃいけない」と表現すると、少しプレッシャーがかかるかもしれませんが、これは本当にそうなんです。
「幸せになりたいとは思っているけど、『ならなきゃいけない』なんて考えたことなかったなぁ」
なんて思った人も、いっぱいいるでしょう。
なぜ私たちが幸せにならなきゃいけないのか、お話していきますね。
「情動(じょうどう)感染」で人のポジティブな気持ちもネガティブな気持ちも感染する
あなたは「情動感染」という現象をご存知でしょうか?
これは、すごく簡単に言うと、「ある人の感情はさまざまな人に感染する」ということなんです。
たとえば、ある人がイライラしていると、周りの人もみんなイライラし、全体的にピリピリとしたムードになってしまいます。
あなたも経験したことがあるでしょう?
これはある人のネガティブな感情が、周囲に情動感染したためです。
ポジティブな感情でも同じことが言えます!
ある人がニコニコしていると、周囲の人も和やかなムードになりますよね。
そのため、その場を仕切る人は特にですが、ポジティブな感情を持っていたほうが周囲の人もポジティブでいられるのです。
また、これは実際に直接会っているかということとは関係なく、SNSなどのやりとりでも起きることがわかっています。
もしもあなたが直接にせよ、ネットにせよ、ネガティブな情報ばかりに触れていたら、ネガティブな気持ちになるし、ポジティブな情報に触れていたら、ポジティブな気持ちになるんですよ。
ネガティブな感情ではなく、ポジティブな感情を情動感染させてみんな幸せに
不幸な人というのは、ネガティブな感情をまき散らしている場合が多いものです。
「なぜ自分ばかりがついていないのか……」
「生きていてもいいことがない……」
などと、怒りや悲しみ、投げやりな気持ちになっていることが多いですよね。
ネガティブな人を励ましてあげるのももちろんいいことです。
でも、もしもその人の心に余裕が無いと
「私のことなんて何も知らないくせに、放っておいてよ!」
なんて、キツイことを言われてしまうかもしれません。もしくはあなたの言葉はそもそもその人の元へ届かないかもしれません。
あなたはそのことに落ち込み、おまけに情動感染し、ネガティブになってしまう……。
しかしこの人が幸福であったなら、もっとワクワクした明るい姿勢であなたとも話せたはずです。
たとえ同じ境遇だったとしても、
「ついてないと思ったけど、こんないいこともあった♪」
「生きてりゃいいこともあるよ! 今までだってそうだったし♪」
などと言える人からはポジティブな感情をもらえます。
だからニコニコしている人の周りには、自然と人が集まるのですね(参照「感情は作れる!笑顔でいることにはメリットがいっぱいって知ってた?」)。
あなたが幸せでならなきゃいけないのは、あなた自身がご機嫌になって、周囲の人にネガティブな影響ではなく、ポジティブな影響を与えてあげるためなのです!
人が幸せを感じるために必要なのは「良好な人間関係」だった!
ところで、あなたは人間が「自分って幸せだなぁ」と感じるために必要なことって何だと思いますか?
高い学歴や、お金があれば幸せなのでしょうか?
あるいはすごい美貌とか?
これについて興味深いデータがあります。
アメリカのある研究によると、人間が自分のことを幸せだと感じる(=幸福度が高い)ためにもっとも重要なのは、「身近な人たちとの人間関係が、うまくいっていると感じているか」だったそうです。
つまりは家族や恋人や友人たちとの関係がうまくいっているかどうか、ですね。おまけに、良好な人間関係は、脳の健康状態にも良い影響をもたらすことがわかったのです。
学歴やお金と幸福度には、実はあまり関係がなかったのですね。
人は、身近な人間関係さえいいものであれば、他のことが一見恵まれない状態であっても、そこまで落ち込まないで済むのでしょう。
もしもあなたが「自分はなんて不幸なの!」と思っているのだとしたら、きっとあなたの身近な人間関係のどれかが良くない状況にあるのかもしれませんね。
逆に、あなたが「自分はとても幸せ!」と思えるのなら、あなたの現在の身近な人間関係が良好なのでしょう。
もしもあなたが幸せになりたいのなら、まずは周囲の人間関係を良いものに変えるようにするところからスタートすればいいということになります。
良くない人間関係を変えて、幸せを感じるために発想を変えよう
もしもあなたの人間関係が上手くいっていない場合、人間関係を良くするにはどうすればいいのでしょう?
人間関係がうまくいっていない場合と言うと、たとえば……
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学校の仲良しグループで仲間はずれにされた。
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あまり性格の良くない恋人と付き合っている。
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家族と仲が悪くて家に帰りたくない。
なんて状況が思い浮かびます。
確かにこんな毎日では「自分は幸せだ」なんて思えそうもありません。
しかし、あなたは「幸福にならなきゃいけない」のでしたよね。
ですから発想を変えて、行動に移してみましょう!
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学校の仲良しグループで仲間はずれにされた。
→別のもっと性格のいい子がいるグループに入る・孤独を貫く・思い切って転校するなど。 -
あまり性格の良くない性格の恋人と付き合っている。
→付き合っている意味が無いのでただちに別れるなど。 -
家族と仲が悪くて家に帰りたくない。
→いっその事引っ越して独立する・仲が悪い原因を付きとめて改善に努力する・友達の家やホテルに泊まるなどしていったん距離を置くなど。
もちろん、他にも思い浮かぶ解決法はいっぱいあるはずですから、
「私は不幸だ!」
と嘆くばかりで思考停止してしまうのではなく、まずは思いついたところから行動に移すのです。大丈夫、きっとうまくいくはず。あなたが幸せになるための第一歩を、踏み出してみましょう。
あなたが「こんな人とは本当は付き合いたくない」と思っている人が近くにいるのなら、関係を切ってしまうことも時には必要かもしれませんよ。
最後に
「幸せ」ってどこか遠いところにあるように思いますが、そうではありません。あなたの身近にあるべきものなのです。
冒頭で、メーテルリンクの「青い鳥」について触れましたが、あの話でも幸せの青い鳥は結局チルチルとミチルの鳥かごの中にいたんですよ。
あなたの身近な人間関係がすでに満ち足りたものなら、さらに良い関係を築けるように。
もしも今は満ち足りていると言えない状態なら、それが少しずつでも良くなるように。
あなたが幸せになり、さらに周囲の人に幸せをもたらしてくれることを願っています。