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価値観とは何?他人の価値観を認めない人にならないために


価値観とは何?他人の価値観を認めない人にならないために

「なんとなくあの人とは価値観が合わないなぁ」

「恋愛では価値観が合うって大事だよね!」

「あの人は他人の価値観を認めないから、やりにくいなぁ」

なんてよく使う「価値観」という言葉。人と接していると必ずと言っていいほど、「価値観が合う・合わない」ということについて考えることがあると思います。

しかし、どんな人とでも価値観が100パーセントばっちり合うなんてことはあり得ません。

それに、他人の価値観を認めず、「それってくだらない考えだよね!」などと言って人を傷つける人もたくさんいます。

今回は価値観についての基本的な考え方から、他人の価値観を認められない人の解説、そしてそんな人にならないために知っておきたいことについてです。

「価値観」や「価値観が対立する」ってなんだろう?

そもそも「価値観」とはなんでしょうか。

価値、という言葉が入っていることからもわかるとおり、「大切に思っている(=価値を置いている)物事への考え方」という意味です。

たとえば、ある女性にとっては「愛猫を家族のように思って可愛がり、健康にも気をつけてあげること」がとても大切なことだったとしましょう。

彼氏とのデートの当日、この愛猫の体調が悪くなってしまい、すぐにでも病院につれて行こうと考え、彼氏にデートの延期のお願いをしました。

ところが彼氏が

「はぁ? 俺よりも猫なんかのほうが大切なわけ? 理解できない」

などと言ったとします。

このとき、彼女と彼氏の価値観は対立しています。

彼女の価値観・・・猫は家族のように大切だから、緊急時には彼氏よりも優先したい

彼氏の価値観・・・たかが猫なんかより、常に恋人を優先するべきだ

というわけです。

もしも彼氏のほうも「ペットは大切にするべきだ」という価値観を持っていた場合は、対立は起きません。これが「価値観が合っている」という状態ですね。

価値観が合う人との人間関係はうまくいく。でも「価値観がすべて同じ」はあり得ない

恋愛や友人関係などの人間関係では、この「価値観が合う」ということがとても重視されます。

そりゃそうですよね、同じものを大切に思える人同士のほうがうまくいくに決まっています。

ちなみに、学校などで仲良しグループができるのも、価値観が同じ人たちで集まるからです。おしゃれが大切なグループ、勉強が大切なグループ……という感じにね。

ですが!

さすがにどんな人でも「価値観がすべて同じ」ということはあり得ません。今まで生きてきた環境や、経験から学んだことや、物事への好みなどはそれぞれ違うからですね。

そのため、なるべくたくさんの人と仲良くやっていくためには、価値観の違いのあることを認め、受け入れなくてはいけません。

先ほど例に挙げた猫を大切にしてくれる彼女と、それが理解できない彼氏の場合……

彼氏のほうで

「俺には理解できないけど、彼女は彼女で大切に思っていることがある。彼女の大切に思っていることなら、俺も大切にしてあげなきゃ」

と思えてデートの延期を受け入れてくれたなら、対立は起きませんでした。これが価値観の歩み寄りというものなのですね。

また、彼女のほうでも彼氏とずっと付き合いたいのなら、「彼氏は猫が大切という価値観が分からない人なんだ」ということを理解して、対応を考えていかなくてはいけませんね。

この価値観の歩み寄りについては、最後でもまた触れます。

他人の価値観を否定する人もいるが、それは人を傷つける行為

価値観の歩み寄りが大切だとは言うものの、自分以外の人の価値観を持った人を否定する人もいます。

「アイドルのおっかけなんてバカじゃない?」

「普通、恋人同士ならイベントは大切にするでしょ。じゃなきゃおかしいよ!」

「その番組のおもしろさが理解できない。くだらない」

などなど……。

これって、言われた側はすごく傷つきますよね。自分の大切な物をバカにされてなんとも思わない人はいません。価値観とは言わば宝物のようなものですからね。

繰り返しますが、人それぞれ価値観が違うのは当たり前のことです。

ですから内心「理解できない」という風に思ってしまうのも仕方ありません。時には「くだらない」「ばからしい」と思ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、それを口に出して相手に伝えることは良くないことです。相手を傷つけてしまうことは、わかりきっているのですから。

どうして他人の価値観を認められず、攻撃してくる人がいるのか?

なぜ自分以外の人の価値観を認められず、攻撃してくる人がいるのでしょうか。

それはその人が、「正しい」と思っていることの範囲がとても狭いからです。

でも、あなたは「複数解」という言葉を聞いたことはありませんか? これは「解答に至るまでの考え方の答えがいくつもあるよ!」というもので、数学などの教科の勉強の世界で使います。

実は人生は「複数解」ばかりであふれています。

ある出来事や問題とぶつかった時、それに対応する「正しい」考え方はたくさんあるのです。どれが「間違い」ということではなく、単なる「違い」にすぎません。

自分以外の価値観を認められない人には、そのことがわかりません。

同時に心のどこかで

「私の価値観は絶対に正しいはず!……けど、もしもそうじゃなかったらどうしよう? でも! 私は今までこうしてやってきたのだから、今さら引き返せない! 他の考え方なんて認めたら、私の今までの生き方が否定されちゃう! そうなったら辛い」

……という風に不安感や意地っ張りの感情を、無意識に抱いているのです。

要するに、自分の価値観が正しいとは思ってはいるものの、完璧な自信はないわけです。

そこで、他者の価値観を否定するというやり方で、

「ほぉら、やっぱり私の価値観が一番なんだから。他の価値観なんて、くだらないものよ。私以外の価値観なんて、あってはならないわ」

と、自分自身を納得させているのですね。でも、もしも本当に自分の価値観に絶対の自信があるのなら、別に他者の価値観に対してわざわざ否定してくるはずはありません。

他者の価値観を否定してくる人は、自分の価値観が否定されるのが怖いために、先に攻撃を仕掛けてきているのです。自分の価値観を「間違ってるよ!」と言われ、本当にガラガラと崩れ去ってしまうことが怖いから。

「価値観を認められない価値観を持つ人」の価値観を認めるには

価値観について深く考えていくと、

「『価値観にはいろいろあるということが、認められないという価値観』も認めなくてはいけないのか?」

というやや複雑な話になってきます。

「価値観が認められないという価値観」があまりよくないのは、先ほどから言っているとおり、他者に対して攻撃的であることが多いからです。

もしもあなたが人を傷つけたくないなら、このような態度は取らないようにしなくてはいけません。

そして、もしもあなたが傷つけられたくないなら、このような態度を取る人とは、なるべく距離を置くのです。

これが「価値観が認められないという価値観」を持つ人との接し方であり、最大限その人の価値観を認めているということだと思います。

もしもそのような人に

「あなたの価値観は攻撃的でおかしい! 今すぐに改善すべきだ!」

などと言えば、私たち自身が他の価値観を認めていない、ということになってしまいますものね。いくら相手が攻撃的で嫌な人であっても、こういった物言いをしてしまっては、私たちも相手を傷つけるので良くありません。

自分自身が「他者の価値観を認めない人」になっていないかに気をつけよう――価値観の歩み寄り

わりとよくあるのが

「彼氏は他の人の価値観が認められない人だから、困っているの」

などと相談してくる人から話を詳しく聞いてみると、

「それって、あなたも彼氏の価値観を認めてあげてないじゃん!」

という状態だった……なんてことです。

たとえば、

「毎日最低でも一回はLINEや電話でやりとりしたい彼女」は「彼氏のデートで行きたい場所をスルー」していたり、一方で「デートで自分の行きたい場所ばかり主張する彼氏」は「彼女へのLINEや電話での連絡がおろそか」だったり……。

二人とも自分の「恋人同士は毎日連絡を取り合うべき!」「デートでは自分が楽しめる場所に行きたい!」という、自分の価値観しか大事にしていないのです。これでは一緒にいても不満がたまるばかりでしょう。

「自分が自分が!」

ではなく、「相手にとっては何が大切なことなのだろう?」といったん立ち止まってみることが、価値観の歩み寄りの第一歩ですよ。


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水嶋英美里

水嶋英美里

ライター。文学系の大学院を修了しており、国語科の教員免許持ち。コラムは根拠のないテクニック紹介にならないよう、「なぜこうすれば結果が得られるのか」といった部分まで踏み込んで書くことが得意。猫と文学とカモミールティーを愛する。