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命令口調をやめるためのとっておきの言い換え方


命令口調をやめるためのとっておきの言い換え方

「ちゃんと明日の用意をしておけよ!」

「私の話を聞きなさい!」

などという命令形の口調、言われる方はげんなりしてしまうものですよね。

しかし、嫌だ嫌だと思っているはずなのに、私達自身もまたいつのまにか命令口調をしてしまうことがあります。

命令口調は相手を反発したい気持ちにさせてしまい、衝突してしまうことも。

今回は私たちが命令口調にならないための、とっておきの「言い換え」をお教えします。

記事の最後には、命令口調で話す身近な人への接し方についても書いていますよ!

うっかり言ってしまう二大命令口調――「しなさい」「してください」

「命令口調」と言うととても嫌な感じがしますが、実は私達自身がうっかり使ってしまいがちな命令口調というものがあります。

それは

  • 「しなさい」
  • 「してください」

の2つです。

そもそも、命令というのは上の人から下の人に何かを言いつけることを言います。

だから、もしもあなたが誰かのためを思って、

「ダイエットのために甘いものを控えなさい」

「明日のお店の予約を取っておいてください」

などと言った場合、「なんだか見下されているみたいで嫌だな……」と感じる人が中にはいるというわけです(もちろん、何も感じない・気にしない人だっていっぱいいます。しかし少数ながら気にする人がいるのなら、今回はその人たちに合わせてみましょう)。

もちろん、

「~しろ」

「~しておけ」

といった明らかな命令口調はもっとNGです!

しかし、「~しなさい」「~してください」といった口調も、見逃しがちな分いっそう気をつけなくてはいけないのですね。

(ただ、今あなたが読んでいるような、多くの読者向けのコラム、メールでのやりとりなどといった書き言葉によるコミュニケーションはその限りではありません。あくまでも実際の声に出した対面のコミュニケーションで、というのを想定しています。)

「~してください」を言い換える、とっておきの言葉――「してくださると幸いです」

「~しなさい」「~してください」のうち、直しやすいのは「~してください」です。

というのも、一応敬語ということもあって、「相手に対して敬意を払うときに使う言葉」だということを第一に考えればいいからです。ぜひ以下のように直してみましょう。

×「~してください」

○「~してくださいませ」「~してくださると幸いです」

これでずいぶんと印象が柔らかくなったのではないでしょうか。

特に「~してくださると幸いです」は「あなたが~してくれることによって、自分は嬉しい・幸せだ」というニュアンスになるのでおすすめですよ!

改善が難しく、ついついアドバイスのつもりで出てしまう「~しなさい」

より改善が難しいのは「~しなさい」のほうでしょう。

「~しなさい」という言葉は、ごく身近な人に使われる場合が多いため、遠慮がなくなってしまうのです。

たとえば、こんな風に……。

「ご飯食べたら自分でお皿を洗っておきなさいよ」
「遊び歩いているばかりじゃなく、将来のことも考えなさい」
「忘れ物をしないようにしなさい」

こういうセリフは、親子などの家族内や恋人同士でも使ってしまうことがあるんですよね。いずれも、「相手のためを思って言ってあげているのだ」という、アドバイス的な意識を持っていることもとても多いです。

それに、言っていることの内容は客観的に見てまともなんです!

お皿は洗うべきだし、将来のことが考えるにこしたことはないし、なるべく忘れ物もしないほうがいい。

しかし、言われた側としては「~しなさい」という口調の方に気を取られ、反発したい気持ちのほうが先に立ってしまうのです。

そこで

「そんなこと言われなくてもわかってるよ!子どもじゃないんだから!(強い怒り)」

という感じになり、衝突が起きてしまうことも多いのですね。

「~しなさい」を使うと、たとえ正しいことを言っていても、相手にそれが届かない(むしろマイナスな印象を抱いてしまう)のです。

「~しなさい」を言い換える、とっておきの言葉――「~がおすすめ」

では「~しなさい」をどのように言い換えればいいでしょうか?

ぜひ以下を参考にしてみてください。

×「~しなさい」

○「~するといいかもね」「~がおすすめだよ」

「~しなさい」という言い方では「~をさせる側」「~する側」という立場がはっきりしすぎており、そのため言われた方は

「おいおい、自分の言うことを聞かせようとしてんじゃないよ!」

と反発してしまいます。

対して、「~するといいかもね」「~がおすすめだよ」という言葉は、あくまでも

「私の考えでは~したほうがよりいいかも、と思っています」

「私のおすすめは~することです。自分だったらそうしてるかなと思います」

というニュアンスになります。

この言い方は、

  • 「なにがなんでも~させてやる」という命令の意思を見せるものではなく!
  • 「私は~をしたらいいと思っている派の人間ですよ」という、あくまでも自分の立場を説明しただけ!

という点で優れているんですね。

ぜひあなたも今日から「~しなさい」が出そうになったらぐっとこらえ、「~するといいかもね」「~がおすすめだよ」という口調にシフトしてみるのがおすすめです。

そうするだけで人に与えるあなたの印象も、ずいぶんと柔らかいものになるでしょう。

上記の言葉を習得しただけで、あなたは他の命令口調も抑えられる!

「~してください」を「~してくださいませ」「~してくださると幸いです」に、そして

「~しなさい」を「~するといいかもね」「~がおすすめだよ」

に言い方をチェンジしただけでも、あなたのコミュニケーションレベルはかなりアップしました!

というのも、これらを直しただけで、コミュニケーションの相手の立場を思いやる心が育っていると言えるからです。

口調を良い方向に変えることができたあなたは、もう他の命令口調を喋ることも少なくなるはずです。

それはあなたのほうでも、すでにこれらの言葉のポジティブな力に気づいているはずだから。

「~しなさい」とあなたが言った時の嫌な空気ではなく、「~がおすすめだよ」と言った時のコミュニケーションがうまく取れている空気のほうが、あなたにとっても居心地がいいはずなのです。

この空気の居心地の良さに慣れてしまったあなたは、自然と他の命令口調も封じることができるってわけですね。

それでも自分に自信がないのなら、「私は命令ではなく、お願いやリクエストをしているんだ」と考えるようにし、それに見合った言い方を心がけるようにするといいでしょう。

もしも現在のあなたが、職場の同僚や部下や、部活の後輩、そしてもちろん家族や恋人に対して上記のような心がけを徹底していれば、あなたの良い変化に周りもまもなく気づくはず。

逆に言うとそれだけ、「~してください」「~しなさい」の悪影響は大きいということなのです……。

身近な命令形の口調の人との接し方は?

さて、あなた自身ではなく、あなたの身近な人がいつも命令口調の人で参っている――なんて可能性も当然ありますよね。

「~しろって言っただろう!」

「~やっとけ!」

などといった乱暴な言葉を、「男らしさ」や「自分の力強さ」と勘違いしている人はけっこういて、もしかしてそれがあなたの家族や、恋人かもしれません。あるいは職場の上司かも。

そういった人に私たちができることは1つです。

それは

「相手が命令口調だからと言って、命令口調で応戦せず、今回紹介した言い換えとお願いの口調を心がけること」

です!

相手「~しておけよ」
あなた「あんたこそ~しなさいよ!」・「それを言うのなら、○○さんも~してください!」・「その言い方ヤメロ!」

となればそれは単なるケンカです……。

相手が命令口調であっても、あなたはカッとせずにまずは「わかった」「そうですね」「わかりました(かしこまりました)」と受け止め、自分の要望を伝える時にはいつもの通り「~がおすすめよ(です)」などと言います。

ですが、相手が命令口調だからといって、あなたが耐えるばかりではいけません。思ったことはしっかり、けれども柔らかく伝えましょう!

その際に自分も命令口調になってしまいそうと思ったら、お願い口調を意識するといいですよ。

たとえば以下のような感じですね。

彼氏「風呂の準備しておけよ」
あなた「うん、わかった(いったん受け止める)。代わりにあなたにはその時間、お皿洗いをお願いしてもいいかな? それだと助かる♪」

上司「明日のプレゼンの資料作れ」
あなた「かしこまりました(いったん受け止める)。ただ、今後は資料作りはなるべく午前中にお申し出くださいませ。私へのお手助けだと思って、どうぞ宜しくお願いします」

父親「さっさと支度をしろ」
あなた「私の事気にしてくれてありがとう(いったん受け止めるの応用で、感謝の気持ちを伝える)。私ももう大人だから、言いつけられるような言い方じゃなくてもわかっているつもりだよ」

もちろん、せっかく上記のような柔らかな言い回しをしたあなたが、怒った表情や強い語気で言ってしまったら意味がありません。そういうネガティブな雰囲気を、相手も敏感に感じ取ってやはり衝突してしまうでしょう。

丁寧だけど嫌味たっぷりな言い方ももちろんNG。

あくまでも穏やかにごく普通に……を心がけてください。

人間は身近な人間に影響を受けやすいので、相手もいつのまにか穏やかなあなたの良い習慣を真似してくれるようになるかもしれません。その過程で、命令口調がどんなに嫌なものかも気がつくでしょう。

ただし、男女問わず命令口調の度が過ぎる人は、虐待などのDVやモラルハラスメント・パワーハラスメントをしてくる場合が多いもの。

もしもあなたの命令口調だけではなく、相手の他の行動でも傷つけられているようなら、相手と距離を置くことを視野に入れましょう。


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水嶋英美里

水嶋英美里

ライター。文学系の大学院を修了しており、国語科の教員免許持ち。コラムは根拠のないテクニック紹介にならないよう、「なぜこうすれば結果が得られるのか」といった部分まで踏み込んで書くことが得意。猫と文学とカモミールティーを愛する。