「あの人に見捨てられてしまったら、自分はもう生きていけない」
なんてことを言う人がいます。
このような「見捨てられる不安(見捨てられ不安)」を抱える人は女性に多く、健康な人間関係作りの壁になってしまうこと、知っていましたか?
見捨てられ不安からくる行動で相手を困らせ、当人も不幸でネガティブな気持ちを抱えているのだとしたら、一刻も早く「見捨てられ不安」を捨ててしまいましょう!
本記事では「見捨てられ不安」の特徴の解説から、恋愛依存症との関係についてまで、発想を変える方法を交えながら書いています。
「見捨てられ不安」ってなんだろう?
「見捨てられ不安」とはネーミングからも分かるとおり、「相手に見捨てられてしまうのではないか」という不安感のことを言います。
そりゃあ、みんな大切な人に見捨てられることはいやなことなので不安感はあるでしょう。
が、中にはこの見捨てられ不安が強すぎて人間関係(恋愛関係も含む)をうまく築けない人がいるんですね。
そのため、あまりにも人間関係に問題が生じる人は、この見捨てられ不安が強くはないか自分でチェックしてみた方がいいのです。
見捨てられ不安の強い人の特徴――発想を変えるには?
見捨てられ不安の強い人は、以下のような特徴が見られる場合があります。
- ある人に見捨てられるのが不安で、何度も電話やメールをしてしまう。返信がないのが許せない。
- 見捨てられる不安が強すぎて気分が落ち込む。
- ある人に見捨てられるのが不安なために、「自殺する」などと言って脅すことがある。
- 相手から自分の望む反応が得られないと、「裏切られた」と感じる。
……あなたにも当てはまる項目がありましたか?
以上の行動は「自分が見捨てられるんじゃないか」という不安から引き起こされるものです。が、相手から見れば単なるうっとうしい、迷惑行為です。
この迷惑行為が人間関係にヒビを入れてしまい、結果相手との関係がうまく築けなくなってしまって破綻するのですね。
もしもあなたが以上のような行動をとってしまうのなら、少し発想を変える必要があります。
たとえば以下のようにです。
ある人に見捨てられるのが不安で、何度も電話やメールをしてしまう。返信がないのが許せない。
相手はあなたのことをどうでもいいと思っている、見捨てるなどという気はなく、単に忙しくて連絡ができないという可能性の方が高いです。
スマホをたまたまを家に忘れてきただけかもしれないし、映画を観ているだけかもしれません。
むしろあなたがそのような行動をとり続けることによって、相手はあなたからの連絡を無視するようになってしまうでしょう。
見捨てられる不安が強すぎて気分が落ち込む。
相手があなたを見捨てようが、あなたの幸せとは関係がありません。
見捨てられることであなたが不幸になるのではなく、見捨てられるという思い込みがあなたを不幸しているだけだと気がつきましょう。
ある人に見捨てられるのが不安なために、「自殺する」などと言って脅すことがある。
「自殺する」などと言って相手を脅すのは、あなたは自分の命を代償に相手をコントロールしようとしているということです。
そもそも他者をコントロールすることはできないし(参考「人間関係の悩みは選択理論で解決できる!女子力アップ編」)、あなたの命もそんなくだらない行動のために引き合いに出すものでもありません。
相手から自分の望む反応が得られないと、「裏切られた」と感じる。
他者はあなたの望む行動を取ってはくれません。もし取ってくれたとしたらそのほうが珍しく、感謝するべきことです。だから、いちいち「裏切られた」と思うのはやめてください。
それに、相手がいかなる行動を取ったとしても、あなたを裏切っている気はおそらくありません。
最初は発想を変えるのは難しいかもしれませんが、少しずつ慣らしていってくださいね!
ちなみに、見捨てられ不安の強い人は、全体的に「極端な思考を持つ」ことも特徴です。
「好きか嫌いか」「信頼できる人か裏切り者か」という風にしか相手を捉えず、ポジティブな反応が得られないだけでネガティブな捉え方しかできなくなるということもぜひ覚えておいてくださいね。
見捨てられ不安のある人は恋愛依存症になる
見捨てられ不安の強い人は、恋愛依存症になりやすいと言われます。
これは、「見捨てられたくない!」という強い気持ちが恋人に向いて強く執着するからです。
先ほどの項目でも述べたとおり、見捨てられ不安の強い人は極端な思考を持っています。
そのため、恋人に対しても「この人は私を愛しているのか」ということをとても気にし、その愛を確かめようとしすぎてしまいます。
その結果、たとえばとんでもないわがまま(真夜中に、「今から会いに来て!」「来ないと死ぬ!」「私の事、愛してないんでしょ」)で相手を振り回して「自分を愛しているかテスト」を行ってしまうことも。
このテストは相手にとって息苦しいものなので、いつのまにか相手の心が離れていってしまい、本当に恋愛がうまくいかなくなります。
しかし、見捨てられ不安の強い当人は何が悪いのかわからないため、必死に相手にしがみつきます。
このような人間関係を繰り返すうちに人がどんどん離れていき、「私はひとりぼっちなんだ」という孤独感を強め、さらにネガティブになっていってしまいます。
これを断ち切るには、どこかのタイミングで見捨てられ不安の強さからくる問題行動に自分で気が付き、やめてしまう必要があるのですね。
最後に――人間はみんな「ひとりぼっち」
見捨てられ不安について、いかがでしたか。
見捨てられ不安の強い人が幸せになるには、行動を変えなければいけないということがお分かりいただけたかと思います。
覚えておきたいのは、「見捨てる」「見捨てられる」以前に、人間はみんな一人で生きているということです。
赤ちゃんもお年寄りも、実は世界中のすべての人が、生まれながらにひとりぼっちなのですね(だからこそ「この人こそ」という人を見つけると、とたんに「見捨てられたくない!」という気持ちが生まれてしまうとも言えますが)。
最初からひとりぼっちなのに、「見捨てられたら」ということを言っても仕方がないわけです。むしろそんなことを言って迷惑な行動をとっていては、相手から疎まれてしまうことの方が多いもの。
健康な人間関係は、健康な心から作られます。
「あの人に見捨てられたら私死んでしまう……」
あなたがもしもこういった不健康な心を持っていると、周りにはやっぱり不健康な心の人ばかりが集まってきてしまい、本当に求める人達には離れていかれ、悩みの多い日々を送ることになります。
「私は一人でもやっていけるわよ!」
という自立した健康な心を目指した方が、あなたのほしいもの――なんでも話せる仲良しの友達、理解し合える恋人などなど――は手に入りやすくなりますよ。