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恋愛における「公平理論」のすべて


恋愛における「公平理論」のすべて

「私がこんなに尽くしているのに、彼は私に何もしてくれない」

「いつも自分の方ばかりから連絡してるのが、不満だなぁ」

こんな悩みを聞くことがあります。この人達は恋愛関係で「なんだか不公平だ!」と感じているということですね。

誰しも人間関係で公平さを求めるということは、心理学の「公平理論」によって明らかになっています。そしてこのことはもちろん恋愛関係でも例外ではありません。

そこで今回はあなたの恋愛に役立つ、公平理論についてです。

公平理論の実験によって、もっとも満足度が高くなる恋愛関係も判明しているんですよ!

「公平理論」とはどんなもの?――人間関係はギブアンドテイクではないと不満がたまる

恋愛に限らずすべての人間関係で言えることですが、「自分ばかりが損をしているな~」と感じてしまう関係は居心地の良いものではありません。

たとえば、

「いつも私ばっかりが家事をしている」と感じる奥さん。

「いつも僕ばっかりがプレゼントを贈っている」と感じる彼氏。

「いつも俺ばっかりが冷たい態度をされる」と感じるお父さん。

こういう不満が出ているということは、その人間関係に満足していないということですよね。

恋愛でも同じで、このようなことが起きると、「自分がここまでしているのだから、相手も同じくらいのことをしてほしい」という思いが強くなります。

そしてそれが叶えられていないと感じると心が離れ、片思いであろうが両思いであろうが関係は終わりを迎えます。

要するに、良好な恋愛関係はギブアンドテイクになっていることが大切で、これを「公平理論」と呼ぶのです。

片思いでも両思いでも、恋愛で「尽くす側」「尽くされる側」という関係が固まってしまっている場合、その関係は良好ではないという事なのです。

公平ではない「尽くされている側」も実は不満を抱えている

公平理論では、尽くしている側が不満を抱くことはもちろん、尽くされている側もまた複雑な気持ちを抱いています。

ちょっと納得いかない話ではありますが、尽くされすぎることでも相手との関係は満足いかないものになるってことです。

「こんなに俺に尽くすなんて、その程度の相手だったのかな」(相手を見下す)

「いつも尽くされてばかりで、なんだか悪いなぁ」(罪悪感)

「こんなにされても、自分は余裕がなくて同じくらい返せない……」(プレッシャー)

などといった気持ちですね。このことは後ほどご紹介する、心理学の実験でも明らかになっています。

(ちなみに、尽くす女性になってはいけないということについては「片思いの相手に選ばれたいなら、『尽くす女』を卒業しよう!」の記事でも詳しく解説しています。)

追いかけさせる関係でも、相手に笑顔や褒め言葉などの報酬を与えることは大切

公平理論に従って考えると、私たちは相手に尽くし過ぎてはいけないし、逆に相手が尽くしてくれているときにはそれに見合った報酬を差し出さなければいけないということになるでしょう。

たとえば他の記事でもたびたび「片思いの男性は追いかけさせ、お金や手間をかけさせ、あなたのことを好きにさせるべき!」ということを書いています。

が、もしも相手があなたにお金や手間をかけたものの「何も得られていないな」と感じたら彼は不公平だと感じ、離れていってしまいます。

だからこそ、追いかけさせた暁には、あなたの笑顔や喜びや褒め言葉や思いやりを彼に差し出すのを欠かさないこと!むしろそれがテクニックの最重要ポイントです。

そうすればあなたという存在自体が彼にとってのご褒美になり、あなたと彼はギブアンドテイクの関係になれます。

公平理論で忘れてはいけないのが「お互いの価値観は違うこと」

ただし、ここで忘れてはいけないのが、あなたと恋愛相手の価値観は同じではないということです。

たとえば、彼氏が彼女のためにディナーを予約して素敵なデートをしてくれたとします。

彼女はそのお礼に、彼の留守中に部屋をきれいに片づけてあげました。

が、なぜか彼氏は怒ってしまい、「いつも俺ばかりが頑張っているよな!」と不満が爆発……さて、一体なぜでしょうか?

実はこのケースだと、彼女は

「素敵なデートのお礼に、片付けという良いことを提供してあげましょう♪」

と考えたのですが、彼氏の方は「片づけ=良いこと」とは思わず、むしろ

「片づけ=俺が自分でわかりやすいように物を置いていたのを勝手にいじられた=悪いこと」

と思っていたのです。

だから、彼女がディナーのお返しに片づけをしたのは、彼氏にとっては恩を仇で返されたも同然だった……ということなのですね。

このように、価値観の違いがあることをあらかじめわかっていないと、公平であろうとしたつもりが相手にとっては全然そうではなかったということがあり得るのです。

公平理論の心理学実験:もっとも満足度が高くなる恋愛関係とは?――「自分がちょっとだけ得してる」

さて、公平理論では尽くす側は「私ばかりが損してる」と感じ、尽くされる側も「こちらが得してばかりでなんだか申し訳ない」と感じ、両者居心地が悪いというお話は最初にしました。

では、どのように感じる関係が最も居心地の良いものなのでしょう。

これについて井上和子氏という心理学者が、恋人同士男女50組を対象にした興味深い実験を行いました。

「自分は相手に比べてどれほど利得を得ているか(得をしていると思うか)?」と質問し、「かなり少ない」グループ、「やや少ない」グループ、「完全に公平である」グループ、「やや多い」グループ、「かなり多い」グループの、5つに分けたのです。

このうち、恋愛関係における幸福度や満足度が高いのは「やや多い」グループだったんです。

さらに「相手と結婚したいと思うか?」という質問でも、やはり「やや多い」グループがイエスの割合が高くなりました。「かなり少ない」「かなり多い」では、結婚願望は低くなり、次いで「完全に公平」、そして「やや少ない」が続きます。

以上の結果をわかりやすいように言葉を変え、以下に図式でも示しておきましょう。

恋愛における幸福度・満足度が高い順
自分の方がやや得している>完全に公平>自分の方がやや損している>自分の方がかなり得している・損している

恋愛相手への結婚願望が強い順
自分の方がやや得している>自分の方がやや損している>完全に公平>自分の方がかなり得している・損している

つまり、「この恋愛関係では、自分の方がちょっとだけ得してるなぁ♪」と思っている関係を良いと感じるのです。

ですから、恋愛関係では自分の損もできるだけ減らしつつ、相手の得も大きくなりすぎないように調節することが大事なんですね。


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水嶋英美里

水嶋英美里

ライター。文学系の大学院を修了しており、国語科の教員免許持ち。コラムは根拠のないテクニック紹介にならないよう、「なぜこうすれば結果が得られるのか」といった部分まで踏み込んで書くことが得意。猫と文学とカモミールティーを愛する。