シェイクスピアの書いた「ロミオとジュリエット」は有名な作品ですよね。
「おおロミオ、あなたはどうしてロミオなの?」というジュリエットのセリフとともに、「敵対する家柄同士に生まれたのに、恋に落ちてしまった男女の悲劇」というあらすじはきっとご存知でしょう。
このロミオとジュリエットのように
「(主に恋愛において)障害があるほうが気持ちが高まり、『一緒になりたい!』という目標達成への思いが強くなること」
を「ロミオとジュリエット効果」と呼んでいるのです。
今回はロミオとジュリエット効果が起きる理由と、ロミオとジュリエット効果の持つ恐い一面についても解説します。知っているとあなたの片思いの恋にも、友人への恋愛アドバイスにも役立ちます。
心理学調査で「ロミオとジュリエット効果」の正しさが明らかに!
「ロミオとジュリエット効果」は仮説ではなく、実際にアメリカの心理学者であるドリスコールという人が研究を行い、その正しさが立証されています。
ドリスコールは140組の恋愛中のカップルを調査し、「障害度」と「愛情度」を数値化して相関関係を調べました。
すると、障害度が高いほうがパートナーへの愛情度も高い、ということが明らかになったのです。
ちなみに、ここで言う「障害」とは
- 親に反対されている
- 2人の文化(信仰している宗教や育ってきた環境など)が違う
- 遠距離恋愛である
などを指します。
ロミオとジュリエット効果の起きる理由3つ
なぜロミオとジュリエット効果が起きるのでしょう。
それには3つの理由が考えられます。
1、「障害がある」というスリルそのものを楽しんでいるから
恋愛における障害とは、言い換えればタブーでもあります。
「あそこの家の息子とは遊んじゃダメよ。付き合うなんてもってのほかよ!」
という親の言いつけを守るのは楽ですが、そのタブーをあえて破ることでスリルそのものを楽しみたい、と思うことはあり得ます。
これは不倫・浮気の恋などで特にそうで、
「本当は彼氏がいるのに、それを隠して別の男性とも愛し合ってる……!」
というハラハラ・ドキドキ感を楽しんでいるのですね。
2、禁じられたことにあえて反抗し、自己主張したいから
恋愛面で親などの反対にあったとき、
「それでも私はこの人と付き合いたいの!」
と反抗を示すのは、単に自己主張をしたいから、ということも。
このケースは実は若者の反抗期の一種でもあり、それがたまたま恋愛に関することだった、というだけなのですね。
反抗期は親と子供の境界線をはっきりさせるためにあるもので、親から離れて自立の準備をするために子供は何かと反抗します。
ちなみに、本家のロミオとジュリエットの年齢設定も16歳と14歳ということで、現代の尺度で言うならまさに反抗期真っ只中ですね。
反抗期に親にまったく反抗しなかった人が、反動として成人してから突然強く反抗するといったこともあります。
3、パートナーへの希少価値が高まるから
障害がある状態だと、パートナーへの希少価値が高まります。
要するに、「手に入れにくいものだと聞くと、よけいに手に入れたくなる!」ということですね。
これは「本日限り」「先着○名様限り」などと商品につけて売る、マーケティングで言うところの「限定商法」と同じものです(参考:「片思いのためのマーケティング術「限定商法」であなたの価値を高める」)。
ロミオとジュリエット効果を活用して片思いの恋を叶えるには?
ここまでの内容を踏まえると、ロミオとジュリエット効果を有効に活用することで、あなたの片思いの恋も叶えやすくなるということがわかりますね。
具体的には以下のような行動を取ればいいでしょう。
- あえて忙しくして自分から彼にやみくもに連絡しない
- 「うちの親、恋愛に関しては潔癖で厳しいんだよね」と、障害があることを告げる
- 会える日を限定する(例:習い事のため、毎週木曜日と土曜日はどうしても無理など)
- 本当に障害があったとしても、それを励みにしてポジティブに考える
などということをすればいいでしょう。
ただし、「まったく忙しくないのに忙しいフリ」「親は恋愛に関して厳しくないのに・習い事をしていないのに、嘘をつく」といったことは相手にバレたら興ざめしてしまうので、なるべく真実を伝えるようにしましょう(嘘をつくなら絶対にバレないように!)。
ただし、相手の感情をあおりまくり、ロミオとジュリエット効果を引き出そうとしすぎるのは、リスクもあるのであまりオススメはしません。これについては後ほど述べます。
ロミオとジュリエット効果の恐い一面――底上げされた愛情は、障害がなくなると消える!?
ロミオとジュリエット効果が起きている時に気をつけたいのは、彼やあなたの愛情が本物かどうかです。
先ほどご紹介したように、ロミオとジュリエット効果の起きる理由は
1、「障害がある」というスリルそのものを楽しんでいるから
2、禁じられたことにあえて反抗し、自己主張したいから
3、パートナーへの希少価値が高まるから
の3つでしたよね。
ロミオとジュリエット効果は、言うなればそれによって、相手への愛情が底上げされるものです。
だとすれば上記の理由がなくなったとたんに、底上げされた愛情も一気に消えてしまう……ということも当然起こり得るのです!
たとえば、親に反対されて燃え上がっていた恋心が
- 親が「やっぱり彼と付き合ってもいいよ。君の好きにしなさい」と引き下がり、障害そのものがなくなった
- 何かのきっかけで本人の親に対する見方が変わり、「反抗するのは馬鹿らしいことだ」と考えも変わった
- パートナーの希少性を上回るほどの希少性を持った別の人と出会い、そちらを好きになった
などという出来事により、鎮火してしまうということもあるんです。
これらのケースでは、本来の愛情はそんなになかったにもかかわらず、単にロミオとジュリエット効果が起きたことによって底上げされ、かろうじて恋愛関係が保たれていた――こういうわけです。
だからあなたがもしも今片思いをしていて、
「私は彼のことが大好き!」
と思っていたとしても、ロミオとジュリエット効果が起きるような障害があれば、その愛情は勘違いだった、なんてこともあるんですね。もちろん、相手側の男性にも同じことが言えます。
よって正式に付き合う前に、
「これって自分や相手が本当にお互いを好きというわけではなく、単に障害に燃えているだけではないのか? 本当に愛しているのか?」
ということを見極めることが大切になってくるのです。
だからこそ、相手の感情をあおってロミオとジュリエット効果を生むのはリスクがあると先述したのです。
わざわざあなたのほうからけしかけてロミオとジュリエット効果で愛情を底上げしなくても、あなたにたっぷりの愛情を注いでくれる男性はいます。
もちろん、ある程度ロミオとジュリエット効果で底上げされていても、元の愛情が強ければ、障害がなくなってもその恋愛はうまくいきますよ。
「障害がなかったら、どうなりそうか」について予め相手と軽く話をしておくのもいいですね。
ロミオとジュリエット効果を踏まえて、友人にも上手に恋愛アドバイスを
ロミオとジュリエット効果を知っていると、あなたが友人などに恋愛アドバイスを行う時にも役立ちます。
たとえば、「その相手絶対にやめたほうがいいよ~! 今のうちに引き返せ~!」と言いたくなるような恋愛をしている人がいたとします(それこそ不倫しているとか、ダメンズと付き合っているとか)。
しかしこういう時に怒りもあらわに
「絶対に別れなさい! 私は親友として断固認めない!」
などとやってしまうと、相手はかえって反発し、その恋に突っ走ってしまうおそれがあるのです。
つまり、あなたがあたかも娘の恋愛に反対する親のような存在になり、さらなるロミオとジュリエット効果が生まれてしまうのですね。
ですからこのようなケースでは感情的にならずに
「私は正直やめといたほうがいいとは思うけど」
などと自分の意見もしっかり伝えた上で、
「最終的に決めるのはあなただから、私は何も言わないよ」
と反発されないように締めくくるほうが賢いのです。
すると「友人に強く反対されている」という障害は生まれず、もちろんロミオとジュリエット効果も起きないので、相手の感情はそれ以上はあおられません。
そのほうが結局、相手にとっても良い結末を迎えやすいんですね。
あなたが将来的に自分の娘息子が「この人とはお付き合いしてほしくないな……」と思うような相手を連れてきたとしても、面と向かって反対するのは逆効果で、上記と同じ対応をした方がいいでしょう。