毎年2月が近づくと、百貨店の店頭には、色とりどりのチョコレートが並びます。かわいく、きれいに作られたチョコレートは見る人をわくわくさせますが、中にはこの時期が近づくと憂鬱な気分になる、という人もいるのではないでしょうか。
そう、会社で渡す義理チョコです。今ではすっかり当たり前になった義理チョコの文化。
社内で同じチームの人に、同じ部署の人に、もっと広がると社員全員に渡さなければ、と大変な思いをしながら毎年たくさんの数のチョコレートを用意している、という人もいるかもしれません。
その習慣、一度見直してみませんか?
そもそもバレンタインっていつから始まったの?
日本で行われている、女性から男性への愛の贈り物としてチョコレートを贈る習慣は、昭和30年代(1950年代)の前半ころからはじまったようです。
新宿伊勢丹の売り場に「バレンタインセール」、「女性から男性へ」などと書かれた看板とともにチョコレートが売り出されはじめ、さまざまな会社が名乗りを上げ、昭和40年代、50年代と、多くのチョコレート会社が販売戦略を進めていくうちに、徐々に浸透していったと言われています。
時代とともに「義理チョコ」、「友チョコ」など新しい言葉が生まれ、贈る相手も贈る理由も多様になっていきました。
チョコレートを渡す意味、考え直してみませんか?
つい最近、今年2月1日に、ゴディバジャパンが日本経済新聞に掲載した広告が話題になりました。
タイトルは、「日本は、義理チョコをやめよう」。ゴディバジャパンが打ち出したメッセージには、こんなふうに書いてあります。
「そもそもバレンタインは、純粋に気持ちを伝える日。社内の人間関係を調整する日ではない。」
「愛してる。好きです。本当にありがとう。そんな儀礼ではない、心からの感情だけを、これからも大切にしたい私たちです。」
「バレンタインデーを、好きになってください。」
もちろん、義理チョコをあげるのが楽しい人はいいのですが、苦しんでいたり、経済的にも精神的にも負担を感じていたりするなら、一度立ち止まって考え直してみてはいかがでしょうか。
“気持ち”を伝えるイベントのはずが、義務感に縛られているのでは、もったいないです。
大切なのは無理をしないこと
大切なのは、無理をしないこと、自分を犠牲にしないことです。
義理チョコを買うことが負担になる人は、あらかじめ私はそういうことはしません、という意思表示をしておくことも手かもしれません。
もちろん、義理チョコをやめよう、という話ではありません。あげることが好きな人、楽しい人は、続けていくのが一番良いでしょう。
また、あげる場合にも、例えば、毎年必ず全員に配るのではなく、最近お土産をもらいっぱなしだな、という相手へのお返しのチャンスにしてみたり、日頃お世話になっている人へのお礼の機会にしてみたり。
相手は異性であっても同性であっても、思いを伝えられる良い機会かもしれません。
その場合には、相手に「○○でお世話になったので」など、気持ちを言葉にして渡すと、より感謝の思いが伝わります。
そして、「他の人にはあげていないんですが」と一言付け加えておくと、他の人とのトラブル防止にもなります。
渡すときの3つの鉄則!
会社の部署やチームの人に義理チョコを持っていく場合には、こんなことに気をつけると、スマートかもしれません。
1.同じ部署や、チーム内では同じものを皆に渡す。
2.形に残るものは渡さない。
3.手作りは控える。
仲が良い相手なら別ですが、中には手作りのものを食べるのが苦手という人もいます。
金銭的に余裕がないけれどどうしても何か持っていかなければいけない、という場合には、同種類のチョコレートがたくさん入っているものを買って、お茶の時間などに一つずつ配るというのも良いかもしれません。
会社ごと、人間関係によって、さまざまな事情はあると思いますが、無理をしてまでやらなければいけないイベントではない、ということを頭に入れておきましょう。
感謝や愛情を伝えたい相手に思いを贈り、バレンタインを楽しみましょう!