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気分がふさぎ込む「引っ越しうつ病」って?その予防策


引っ越しうつ病

入学や就職など、まもなく新生活を迎える人も多いこの季節。

そして新生活の前には、引っ越しという一大イベントがありますね。

しかし引っ越しをきっかけに「引越しうつ病」という、気分がふさぎ込む心の状態に陥ってしまう人も多いのです。

今回はこの引越しうつ病について解説し、あなたが引越しうつ病にならないための予防策を具体的にお教えします。

引っ越しを控えているそこのあなた、必読ですよ。

はじめに――「うつ」や「ストレス」ってなんだっけ? 引っ越しはうつ状態を引き起こしやすい

引っ越しうつ病について考える前に、「うつ」そのものとストレスについて知っておきましょう。

「うつ病は過度なストレスによって引き起こされる」ということは皆さんもご存じのことかと思います。

しかし、「じゃあストレスって何よ?」ということになるとわかるようでわからないということもあるかもしれませんね。

ストレスは「精神的な緊張」。

主には環境の変化によって引き起こされる、精神的な緊張のことを指します。

たとえば、職場にとんでもなくめちゃくちゃな上司がやってきたために、安定した環境が崩れ、ストレスでうつに病になってしまった――などというのは皆さん想像しやすいでしょう。

これと同じで、入学・進学や就職・転職によって周囲の人間関係が変わるなどすれば、それがストレスとなってうつ病や、うつ状態を引き起こすことがあります。

ちなみに嬉しい・楽しい変化であってもストレスとなるのは同じで、たとえば

「転職でずっとやりたかった夢の職業に就いたぞ!」

という場合でも環境が変わればやはりストレスとなり得るのですね。

その意味で、物件探し・荷造り・荷ときなどのエネルギーが必要で、人間関係も住んでいる環境も、なんなら仕事や生活パターンまで変わる引っ越しは、とてもストレスが生じやすいイベントなのです。

これが「引っ越しによってうつ病が引き起こされやすい」の真実です。

引っ越しうつ病にならないための具体的な予防策3つ

1、引っ越し後に疲労がくることを前提に行動を工夫しよう

引っ越し前の準備から、引っ越し後は、エネルギーを多く使い、心身ともに興奮状態にあります。

簡単に言えば「祭り」のようなもので、祭りの終わりには虚無感と疲労が訪れます。

最中は興奮で気がつかないけれど、終わると心も体もがっくりと疲れてしまうのですね。

このことをわかっていないと、引っ越し前から引っ越し中の間エネルギーを使いすぎてしまい、無茶なスケジュールを立てたり、何かと自分の心身の疲労を考えずに行動してしまったりします。

これでは祭りのあとの「がっくり」がより大きなものとなり、そのまま引っ越しうつ病になってしまう可能性が高いので、なるべく引っ越し前・引っ越し中も引っ越し後の疲労を見越して行動を工夫しましょう。

《引越し後の披露を見越した行動の例》

  • 物件・家具・家電などすべてにこだわりすぎるとより疲れてしまうので、労力を割くのは譲れないどれかに絞る。

  • お金と労力を天秤に掛け、自分でやりたくないことや難しすぎること(家具の組立や搬入など)で外注できることならお任せする。予算がなくて外注できない場合は、友人知人の手を借りる(お礼を忘れずに!)。

  • 適度に休む日を入れる。その日は引っ越しのことはすべて忘れて過ごす。

  • 同時期に引っ越しする友人などがいれば、お互いに励まし合って心の支えにする・情報交換する。

2、引っ越し後の楽しい姿を想像しよう

引っ越し前・引っ越し中に「辛い……」という気持ちがわいてきたら要注意です。そのまま「やっぱり元の環境が良かったなぁ」なんてネガティブな気持ちになり、ひいては引っ越しうつ病になってしまうかも。

「辛い」という気持ちがわいてきてしまったら、引っ越し後の楽しい姿を想像して、ポジティブな気持ちを保ちましょう!

「これから新しい学校でいいことばかりだ! どんなサークルに入ろう?」

とか

「新しい職場で心機一転がんばろう! 恋愛もできるといいな。彼氏ができたらこの部屋に招待しよう♪」

とか

「こんなに日当たりの良い部屋で過ごせるなんてラッキー!」

とか。

とにかく、「引っ越しすること」があなたにとって悪いことではなく、とても良いことなんだと思うようにしましょう。

3、新居の部屋は「100か0か」ではなくゆっくり仕上げるものだと考えよう

引っ越しするにあたり、新居のインテリアや家具家電・小物類にこだわってしまう人は多いでしょう。

それは「おしゃれな北欧風ルームにしたい」とかお部屋全体のことや、「この場所にぴったりのこんな機能の付いた食器棚がほしい」とかピンポイントのことかもしれません。

いずれにせよ、そのようなこだわりを持っていると、「絶対こうしたいし、最初から完璧な部屋にしたい」という風に考えがちになります。

しかし、新居の部屋は100か0か、ではなくてゆっくり仕上げるものだと考えましょう。

あなたが良いと思って買った北欧風の間接照明は実はさして必要ないものだったり、焦って買った食器棚よりもさらにぴったりな物が後から見つかったりするかもしれません。

新居の部屋はゆっくり仕上げて、最初から完璧を目指さないことで、あなたのストレスはずいぶん減るでしょう。最初は60点でも徐々に100、120点の部屋にしていけばいいだけなのです。

もしもあなたがすでに「引っ越しうつ病」になっていたら

もしもあなたがすでに引っ越しが原因でふさぎ込んでしまい、生活に支障が出てしまっているのなら、心療内科に行くことも考えてみてください。

心療内科の受診は別に恥ずかしいことでもなんでもなく、風邪を引いたら内科に行くように、ごく自然なことなのです。

最初に述べたとおり、引っ越しは大きなストレスのかかりやすいイベント。

ですから、「たかが引っ越しくらいで落ち込んでいる自分はおかしいんじゃ……」などと考える必要すらありません。

引っ越し後の新生活がより良いものになるよう、専門家の力を借りてみるのは普通のことですよ。

「別に病院に行くほどではないんだよね~。ただちょっとブルーかも……」

くらいであれば、あなたが信頼している家族や友人や恋人などに話を聞いてもらいましょう。自分の気持ちを言葉にしてみるだけでも、心が落ち着いていくはずですよ。

あとは、新生活を積極的に楽しむことを優先し、「やってみたらおもしろそう!」なことに思い切って飛び込んでみるのもおすすめ。新しい刺激をエンジョイしているうちに、憂うつな気持ちが吹っ飛ぶこともあるでしょう。

最後に

引っ越しうつ病にならないための予防策、いかがでしたか。

もう春も目前で、新生活を始める人も多いでしょう。ぜひ今回の記事を参考に、引っ越しうつ病にならないように心がけましょう。

また、すでに気分がふさぎ込んでいる状態にあるのなら、無理をせず専門家に相談し、今後の生活に備えてください。


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水嶋英美里

水嶋英美里

ライター。文学系の大学院を修了しており、国語科の教員免許持ち。コラムは根拠のないテクニック紹介にならないよう、「なぜこうすれば結果が得られるのか」といった部分まで踏み込んで書くことが得意。猫と文学とカモミールティーを愛する。