ジュエリーの印象を変えるものとして、用いている地金や、使われているストーン、ペンダントトップのモチーフのデザインの違いなどといったものがあります。
しかし、意外と見落としがちなのが、チェーン(金鎖)のデザインです。
ネックレスはもちろん、ブレスレットやアンクレットでもチェーンの見える範囲は多いですよね。
そのため、チェーンを変えれば、ジュエリーの印象もまた、がらりと変わるというわけです。
今回は代表的なチェーンの種類についてご説明しましょう。
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チェーンの構造は3種類だけ
チェーンは代表的なもので3つ。
とりあえず以下の3つを覚えておけば、お店で選ぶときも困らないでしょう。
キヘイチェーン
1つ目は「キヘイ」と呼ばれるチェーンです。
キヘイチェーンは、90度にひねりを加えたコマ(※チェーンのうちの輪っかの一つを「コマ」と呼びます)をつなげたものです。
特徴としては、コマの向きが全て同じになるということがまず一点。
そして、次に説明する「アズキ」よりも、重厚感があるチェーンです。
よく少し怖い感じのするお兄さんが、金のネックレスを好んでつけているのを、ご覧になったことはありませんか?
ああいった金のネックレスは、だいたいキヘイチェーンのものです。
キヘイチェーンの持つ重厚感がウケが良いのでしょうね。
ユニセックスなデザインなので、ジュエリー以外にも、メガネチェーンやウォレットチェーンなど、さまざまなアイテムに使われています。
ところで、「キヘイ」という名前の由来は、最初にこのチェーンを作った職人の名前が「喜平」だったからとか、騎兵隊の持っていたサーベルのチェーンから「キヘイ」になったなど諸説あります。
アズキチェーン(ケーブルチェーン)
2つ目は「アズキ」と呼ばれるチェーンです。
別名「ケーブルチェーン」とも。
アズキチェーンは、丸いコマを交互につなげていったものです。昔、お誕生日パーティーなどで輪っかの飾りを作ったりしませんでしたか?
あの構造と同じです。結構簡単な構造でしょ?
向きが交互になるので、コマ全体はキヘイのように同じ面を向きません。
キヘイチェーンのような重厚感には欠けますが、コマが交互に別の方向を向いているため、輝きはアズキチェーンのほうがあるようです。
女性のファーストネックレスなら特に、キヘイチェーンよりはアズキチェーンのほうが個人的にはオススメですね。
ボールチェーン
3つ目は「ボール」と呼ばれるチェーンです。金属製のボールが連なったデザインのチェーンです。
コマにある爪を接合していくことで、つなげていく構造です(これを「かしめ構造」と言います)。
キーホルダーなどにも用いられることが多いので、皆さん一度はご覧になったことがあるかと思います。
ボールチェーンの加工は比較的簡単なため、キッズ用のアクセサリーに使われることが多く、そのせいか残念ながら、「安っぽい」という印象を与えてしまうことがあります。
ですが、大手のブランドからも金やプラチナを地金に使ったボールチェーンが出ていますし、ボールを連ねているため柔らかな印象を与えてくれるというメリットも。
ただ強度はキヘイチェーン・アズキチェーンと比べると劣ります。
その他のチェーン
代表的な3つをご紹介しました。
実はこれで基本のチェーンの説明は終わりになります。
というのも、他のチェーンは「キヘイ」「アズキ」のチェーンを組み合わせたものや、「ボール」と同様の構造による新たなデザインに対しての名称になるからです。
つまり、チェーンの構造自体は「キヘイ」「アズキ」「ボール」のみということになります。
では、それら3つの構造のチェーンを組み合わせると、どのように呼ばれるのかご紹介していきましょう。
甲丸チェーン
コマ自体が甲丸(縁が滑らかで丸いもの)を使ったアズキチェーン。
ダブルキヘイチェーン・トリプルキヘイチェーン・ダブルアズキチェーン・トリプルアズキチェーン
「キヘイ」・「アズキ」のそれぞれのコマを、二重でつなげたものを「ダブル」と言いいます。
同じく三重なら「トリプル」です。
フレンチロープ
トリプルをロープ状に見せるようにデザインしたチェーン。
ストロベリーチェーン
アズキチェーンのうち、山型のコマを使ったもの。
スクリューチェーン
キヘイチェーンをローリングさせ、ひねりのデザインにしたもの。
ベネチアンチェーン(ボックスチェーン)
アズキチェーンの構造で、四角いコマを用いて編みこんでいったチェーン。
スネークチェーン
ボールチェーンと同じく、かしめ構造によって作られたチェーン。
蛇を連想させる、しなやかなチェーンで手触りもよい。
フィガロチェーン
キヘイチェーンとアズキチェーンのコマ両方を使ってつなげたチェーンのこと。
長円形と、半円形のコマを用いるため、「ロングアンドショート」とも呼ばれています。
以上のようなものがあります。
その他、組み合わせによってさまざまなデザインを作ることが可能なのですね。
共通して言えることは、上記のチェーンは基本の「キヘイ」「アズキ」よりもデザイン重視なので、ジュエリーとして身につける際にはチェーン自体を主役にできるということでしょう。
最後に
いかがだったでしょうか。
たくさんのチェーンがあるけれど、基本はたったの3種類。
それがわかっていれば「これはキヘイのアレンジのチェーンだな」なんてわかるようもなりますよ。
いくつかの種類のチェーンを取り揃えておけば、ペンダントトップは同じでも、雰囲気を全く変えることができます。
ぜひ参考にして、あなたのお気に入りのチェーンを見つけてくださいね。