誰かと言い争いになって、あるいは一方的に責められて
「お前が悪いんだ!」
「あんたのせいで○○になってしまった!」
なんて言われると、本当に疲れてウンザリしてしまいますよね。
疲れてウンザリ……というだけでもすごくハードなのに、おまけに自分も
「私が全部悪いんだ……この人を傷つけるなんて、ひどいことをしてしまったんだ」
なんてネガティブに罪悪感を抱いてしまっては、さらに心が辛くなってしまいます。
でも罪悪感を抱いていることは事実でも、あなたは本当にそんなに悪いことをしてしまったんでしょうか?
今回は「罪悪感を抱かせようとする人たち」のお話です。
罪悪感から離れてスッキリしたいのなら必読ですよ!
罪悪感は悪いことをしていなくても抱いてしまうことがある
罪悪感という感覚、あなたもよく知っていると思います。
別に悪いことをしたわけではなくても、
「なんだか悪いことをしてしまった……苦しい」
という風に自分を責めてしまうこと、きっとあなたもあったでしょう?
この罪悪感、上に書いたように「悪いことをしたわけじゃないのに、罪悪感を抱いて苦しくなってしまう」ということがあるのがポイントです。
たとえば……
「つい出来心で万引きをしてしまい、そのことで罪悪感を抱く」
というのと、
「同じ学校を受験して私は受かったけど、親友は落ちてしまい、そのことで罪悪感を抱く」
というのじゃ、違うわけです。
前者は万引きという明らかに悪いことをしてしまったケース。
後者は別に全然悪いことではなく、あなたは努力が実ったけど、相手はたまたまそうではなかった、というだけのケース。
それでも、
「親友は落ちてしまった学校に私だけがのうのと通うなんて……親友のことを思うと、どうしても自分が悪いような気がする……」
と悩んでしまう人も中にはいるのですよね。
とにかくここで覚えておいてほしいのは、罪悪感は「悪いことをしたわけじゃなくても!」抱いてしまうことがあるということです。むしろ罪悪感を抱いてしまうシーンでは、別に悪いことをしたわけじゃない……ということのほうが多いかもしれません。
そして、場合によっては罪悪感を「抱かされる」ということもあるのです。
これについて次項で掘り下げていきましょう。
世の中には罪悪感を抱かせようとする人がいる!
罪悪感を「抱かされる」ってどういうことを言うのでしょうか?
これについて、先ほどの例をもう一度挙げながら解説していきましょう。
ある女性が志望校の受験に合格しましたが、親友は残念ながら不合格だった。
親友は女性に言います。
「あの学校は私の第一希望だったのに! 普通さ、親友だったら私のためを思って遠慮して、そもそも受験しないでしょう」
「あんたが合格したから定員がオーバーして、私が落ちたんだ!」
「どうしてくれるのよ!」
……なんともひどい親友ですね。こんなこと言われたら縁を切ったほうがいいとは思いますが、それはさておき。
もしも言われた女性側が素直だったら、
「なんでそんなひどいこと言われなきゃいけないの?」と思う反面、
「確かに私も彼女の志望校を知っていたんだから、遠慮すればよかったのかな……? ああ、私はなんてひどい人間だろう」と思わされてしまうことがあるのです。
これが「罪悪感を抱かされる」ということなのですね。
こういったことはもちろん恋愛関係でもよく起こります。
たとえば彼氏が彼女に対して、
「どうして俺の連絡にすぐに返信してくれないの? 普通、彼女なんだから俺が連絡する時間くらいわかってるでしょ。スマホの前で待機するくらいしておいてよ!」
なんて言ったとします。
すると彼女の方も
「(普通の彼女は彼氏の連絡する時間を把握しておくものなんだ。それができていなくて、ごめんね……)」
などと罪悪感を抱いてしまい、彼氏の言いなりになってしまうことがあるんですね。
もちろん相手だけではなく、私たち自身もまた、相手に対して罪悪感を抱かせようとしてはいけませんよ!
罪悪感を抱かせようとする人は、自分に有利に事を進めたい人
では相手に罪悪感を抱かせようとする人は、なぜそうするのでしょうか?
それは罪悪感を抱かせることで、自分に有利に事を進めたいからです。
「私が悪いことをしてしまったんだ……」
と罪悪感を抱いている人につけこみ、
「悪いことをしたお前は罪を償え!」
とばかりに、自分の主張を押し通そうとしている、もしくは八つ当たり的にあなたを傷つけてうさ晴らししようとしているのです。
先ほどの親友と彼氏の例だと、親友が女性に、彼氏が彼女に、それぞれ「償え!」と迫る形になっていますね。
これって、対等で良い人間関係が築けていると言えるのでしょうか?
違いますよね。
罪悪感を抱く・抱かせる関係では、いつのまにか「罰を与える側」「罰を受ける側」という、まるで犯罪者と懲罰する人のような、上下関係になってしまうのです。
これではお互いに不信感が生まれやすくなり、良い関係を続けることがとても難しくなってしまうのですね。
罪悪感を抱かせようとする人を見抜くポイントとしては、「そもそも全然理屈にあっていない、無茶な要求をしている」ということがあります。
先ほどの例だと、それぞれに
- 親友が受験に受かった女性を責める→そもそも親友が受験に不合格だったことと、女性の受験結果はまったく関係がないことである
- 彼氏が彼女の連絡に対する姿勢に文句を言う→彼氏が彼女に求める返信スピードは、少なくとも一般的ではない
ですよね? 客観的に見て、言われた側はまったく悪いことはしていないです。
相手の勢いに負けずに冷静になり、相手の主張がそもそも理屈に合っている要求であるかどうかをしっかり見るようにしてください。
あまりに不当な難癖だと判断したら、その人と距離をおくことも視野に入れてくださいね!
罪悪感を持ちやすい人とは――罪悪感と加害者意識と被害者意識の関係とは?
罪悪感を持ちやすい人というのは、基本的にネガティブな性格の人に多いものです。
というのも、「何か揉め事が起きた時には、たいてい自分が悪いに違いない」と捉えがちな人が罪悪感を抱きやすいからです。
これを「加害者意識」と言い換えてもいいでしょう。
でも世の中にはいろいろな感覚の人がいてですね……ちょっと嫌な例ですが、通り魔の殺人事件の犯人などが
「世間に復讐したくてやった。俺をこうさせたのは世間だ。世間が悪い!」
なんて言うことがあるでしょう?
こういう人は自分が悪いと思っていないので、罪悪感も薄いと考えられます。
代わりに自分の行動を振り返らずに「○○が悪いせいで、自分はこんな目にあっている!」という「被害者意識」を持っているのですね。
被害者意識も加害者意識も、とても厄介なもの。
もちろん、現実に悪いことをする人はいるので、被害者意識や加害者意識が生まれてしまうのはある程度仕方がないことではあるのです。
が、ごくごくフツーの日常生活において
「自分は被害者だから、仕返しとして何をやってもいい!」
とか
「自分は加害者だから、罪を償い続けなきゃいけない……」
とかいう考えが生まれてしまうのは、やっぱりちょっとオカシイわけです。そういった極端な考えは私たち自身を苦しめてしまうだけ。
極端な被害者意識と加害者意識を持たないためには、自分と人間関係を一歩引いて客観視してみることが大事です。
それができるようになれば、不要な罪悪感を抱くこともなくなるでしょう!