その恋が片思いであるにせよ、両思いであるにせよ、恋愛をしていると
「この人って本当に私のことが好きなのかな?」
「私のほうが『好き』という気持ちが強いんじゃないの?」
「結局、相手は自分をどう思っているんだろう?」
そう悩むことがあるでしょう。
今回は上記のような悩みを抱える女性の気持ちを軽くする、「たとえ両思いであっても相手の気持ちなんてわからないのは当たり前」という話。それを踏まえた上での、考え方のヒントも書いています。
はじめに――すべての恋愛は「幻想」だ!?
実は以外に思うかもしれませんが、すべての恋愛は、両思いも含めて「幻想」です。
「え!? 『幻想』ってどういうこと!? だって私の知っているカップルはみんなお互いに思いやって幸せそうだけど……」
なんてびっくりした方もいるかもしれませんね。
確かに、世の中にはお互いに思いやっていて、幸せそうなカップルがたくさんいます。
そういった人たちを否定する気持ちは少しもありませんし、思いやりのある幸せなカップルが増えるのは素晴らしいことです。
筆者がここで言いたいことの意味は、「人の心のなかのことは、結局他人にはわからないもので推し量るしかない」ということなんです。
「気持ち」や「思い」は目に見えないものだが、だからといって存在しないわけじゃない
恋愛にせよ何にせよ、私たちはエスパーではありませんので、人の心の中のことを完璧に知ることはできません。
その人が今どんなことを思い、どう感じているのか。
その人が過去に、どんな楽しい経験や辛い経験をしてどう思ったのか。
相手はどれだけ自分のことが好きなのか。あるいは本当は好きじゃないのか。
こういったものはその人の心の中だけにあるもので、いくら口で説明しても100%わかるものではありません。
ましてや、あなたが「きっと相手はこのように思っているに違いない!」と思ったところで、その予想が全くの的外れだということもあり得るのです。
たとえば恋愛のこんな場面。
「あの人は私のことなんかちっとも好きじゃないように見えるわ」
そう思っても、実は彼が単なる照れ屋で、あなたに正直な気持ちを伝えるのが恥ずかしいだけかもしれません。
そもそも「気持ち」や「思い」は目には見えないものです。
だから恋愛では、恋人たちはその気持ちを相手に見えるように、必死にいろいろしてみせる人が多いのです。
彼女のためにプレゼントを選ぶ彼氏。
彼氏のために手料理を振る舞う彼女。
こんな姿が一般的です。でも、もちろんそういうことを自分がするには、抵抗ある人もいる。
だからといって「気持ち」や「思い」が存在しないわけではなく、ただ見えないだけなのですね。
これは恋愛ではないシーンでも同じことです。
普段無口で何を考えているかわからないお父さんが、内心では娘のことを溺愛している――こんなこともあるわけです。
「両思いは幻想」の意味――相手も自分が好きだという思いこみの上で成り立っている
さて、「気持ち」や「思い」は見えないものだということがわかりましたね。これが「恋愛が実は幻想だ」ということの答えです。繰り返しますが、気持ちや思いが見えないものである以上、私たちは相手の言葉や行動や態度から相手の気持ちを推し量ることしかできないのです。
極端なことを言ってしまえば、「私のことをどう思っているか?」と悩むのは時間の無駄なのです。だって、本来相手の気持ちは見えないものである以上、こういった悩みが解決されることはないからです。
たとえ両思いであっても
「相手の気持ちは見えない。その人の気持ちの強さも、はたまた気持ちがあるかどうかもわからない。でも、『気持ちがある』という幻想があるからこそ、お互いに付き合っている。言い換えれば「相手も自分が好きだ」という思い込みのもとに成り立っている」
という状態にすぎないのです。だから実は「相手の気持ちがわからない」という意味では、両思いの恋愛でも片思いの恋愛でも同じと言えるのですね。
具体例で見る!「彼は私のことどう思っているの?」なカップルの問題点2つ
「気持ち」や「思い」は、目に見えないものだからこそ、相手に伝えていくことが交際後に大切になってきます。
同時に、相手の気持ちが伝わってこないからといって、「相手は私のことをなんとも思っていないんだ」などと判断するのは早とちりということもあるかもしれません。
例をあげましょう。
ある女性は、「ちっとも私のことが好きじゃないように見える、クールな彼」と無事に付き合うことにりました。
しかし、その後もずっと彼が「私のことが好きじゃないように見える」んだとしたら、この女性は「付き合っているのに、私のことが好きじゃないの? 私のことどう思っているの?」と悩むことになるわけです。
本当は、彼の真の気持ちが知りたくなるでしょう。しかし気持ちは見えないものなので、わかりません。
仮に彼が「普段は素っ気なくしちゃうけど、君のことは好きだよ」と言われたところで、彼女が納得しなければそれまでですよね。
そう、だからここでの問題点は2つ。
問題点1、彼の方で「『お互いが思い合っている』という両思いの幻想」を崩しにきていること
気持ちは見えないものなのに、あまりにその気持ちを形にしようとしないようであれば両思いの前提であり、幻想でもある「お互いが思いやっている」が成立しない。
この彼は両思い状態を続ける気がないようであり、彼女への思いやりにも欠けている。
だから今後も交際を続けていきたいと彼が望むのなら、この点を改善しなくてはならない。
問題点2、彼女の方で「気持ちは目に見えるものだ」と思いこみ、彼の気持ちも決めつけていること
彼女の方でも「気持ち=目に見える」と思い込みすぎている可能性がある。
確かに、彼が自分の気持ちを態度や言葉などで示さないのは悪いことだが、彼女も「彼の気持ち」について考えすぎている面があるかもしれない。
「○○してくれないから、彼は私のことなんか好きじゃないんだ」と決めつけるのではなく、彼がそうしない他の理由も考えてみるといい。たとえば、単に彼は女性の扱いがわからないだけかもしれない。
両思いでも片思いでも!「私のことどう思っているの?」という不安を解決するヒント
先ほどの具体例から、両思いになったら、彼氏も彼女も両方とも、「相手は自分が好きだし、自分は相手が好きだ」という幻想を守るように努力しなくてはいけないことがわかりましたね。
さもないと、「本当に私(僕)のことが好きなのかな?」と相手に不安を抱かせることになるからですね。
そうなるとすれ違いが生まれ、どちらともなく「もう相手のことが好きじゃないかも……」と思い、別れに発展してしまいます。
ではどうやったら両思いという幻想を、いつまでも守ることができるのでしょうか?
「相手にプレゼントを贈る」とか「何かしてあげる」という発想になりがちですが、それはうわべだけのことです。
真に大切なのは、「相手を尊重して歩み寄り、相手の価値観を傷つけないこと」です!
先ほどの彼氏がクールで彼女が不安に感じているカップルの例だと、彼氏は彼女の「もっと気持ちを見せてほしい」というリクエストに少しは応えるべきです。
そして彼女も「彼ってもともと気持ちを見せるのが苦手な人なのよね」と理解しておくべきです。
そうすればお互いにリラックスすることができ、関係は良いものになるはずなのですね。
片思いであっても基本は同じこと。
相手の心の中がわからない以上は、悩むことに意味はありません。相手があなたにしてくれる何らかの「目に見える」アプローチにだけ、応じていくしかないのです。そしてそのやり取りの中でもやはり、相手を尊重して歩み寄ることが必要なのです。
最後に――「私のことどう思っているの?」と悩むのは時間の浪費!
いかがでしたか。
あなたが片思いをしているにせよ、両思いで彼氏がいるにせよ、相手の気持ちが目に見えないものであることには変わりありません。
だからこそ、私たちは両思いになったら「あなたと私は両思いですよ」という幻想を守るために、相手を尊重しなくてはいけません。
もしも、あなたが両思いの恋愛で、「私ばっかり無理をして、我慢している!本当に彼は私のことが好きなの!?」と感じることがあったのなら、両思いの幻想が崩れている証拠ですので、ぜひ2人の関係を洗い直さねばいけません。
また片思いでも両思いでも、相手の気持ちがわからないのは普通のことですから、そのことでクヨクヨと時間を浪費するのはもったいないことです!
「相手は私の事、少なくとも悪くは思っていないはず」とでんと構えていたほうが、かえって相手もプレッシャーを感じなくなり、いい結果につながるかもしれません。