完璧主義者の特徴とデメリット!やめる考え方教えます

完璧主義者の特徴とデメリット!やめる考え方-01

完璧主義と言うと、

「何から何まで完璧でないと気が済まない!」

「完璧な準備をしておかないと落ち着かない!」

などという思いから自分に厳しい高い目標設定をし、それをやり遂げる(やり遂げようとする)考え方のことを言いますよね。

完璧主義者はすばらしい成果を出すことが多いというメリットがある一方で、いくつものデメリットも持っています。

今回の記事では完璧主義者の特徴とデメリットから、完璧主義をやめるための考え方まで詳しく書いています。

完璧主義者の特徴

完璧主義は以下のような特徴を持ちます。

  1. 自分の理想を追い求め続ける
  2. 自分の失敗が許せない、100点満点じゃないと嫌だ
  3. 失敗をしたらひどく落ち込む
  4. 仕事などに関して責任感が強い一方、周りと足並みが揃わず突っ走ることがある

完璧主義者は「必ず満点を取ってやろう」という理想に向けて独走して頑張り、そのことが最重要事項になっています。

たとえば中高生の定期テストでこんな問題があったとしましょう。

「応仁の乱が起きた年を答えなさい」

正解は「1467年」なので、その通りに書けば正解になりますね。

このように学校の定期テストでは、必ず何かしら答えのある問題が出されます。

完璧主義者の人たちもその答えを学び、あるいは答えの出せる方法を学んでテストで満点を取ろうとし、その調子で社会にも出ていきます。

完璧主義者のデメリット

①正解を得られないと落ち込んでしまう

しかし、現実世界には答えのある問題なんてそうそうありません。

たとえば、あなたがある店の店員だとして

「明日までにお客さんを喜ばせるアイデアを出してきて!」

とオーナーに言われたとしましょう。

どんなアイデアを出しましょうか。

ギフトラッピングをいくつかの中から選べるようにする?

お得なスタンプカードを作る?

毎月決まった日にはおまけをつけてあげる?

今少し考えただけでも、いくつもの答えがあることがわかりますよね。

そう、現実世界では正解は一つではないのです。

完璧主義のあなたは、いくつか考えた中から、「これは絶対に良いアイデアだわ!」と思ったものを張り切ってオーナーに提案します。

しかしオーナーに

「うーん、それはうちの店では難しいから却下だね」

などと言われてしまえばそこまで。

それが正解だと思ったのに、「間違い」だということにされてしまいます。

絶対にいいアイデアだと思ったのに……と完璧主義のあなたは落ち込むかもしれません。

②自分で決めた基準や理想に縛られて苦しい

しかし、お店やオーナーが違えば同じ提案であっても

「それは実に良いアイデアだ! ぜひ明日からやろう!」

と受け入れられた可能性だってあります。

同じ答えなのにその時々で「間違い」になったり「正解」になったりするってことですね。

つまり、「世の中には正解は複数ある上に、時と場合によって正解が変わることさえある」。

世の中で言うところの「正解」とは、それほどまでにもろいものなのです。

しかし、完璧主義者はその幻の「正解」を追い求めています。

もちろん、自分が失敗をする可能性をわかった上でなら、正解を追い求めることは悪いことではありません。

しかし、完璧主義者の特徴でも見た通り、完璧主義者は自分の失敗をとても恐れており、失敗したら気分がふさぎ込んでしまいます。

正解が時と場合によって変わるものである以上、失敗してしまう可能性は誰にでもあります。

でも完璧主義者はそのことをわかっておらず、

「自分は完璧にやり遂げたかったのに、ミスをしてしまったんだ……」

と自分をとても責めてしまうのですね。

自分の設定した厳しい基準や理想に縛られ、結果として自分を追いつめてしまいがんばりすぎる。おまけに失敗したときに精神的な危機を迎えてしまうという、心のもろさがある――これが完璧主義者の最大の弱点であり、デメリットなのです!

人生では必ず失敗してしまうときがありますから、完璧主義をやめ、落ち込まない自分を作るほうがはるかに生きやすくなるのです。

完璧主義者をやめるための考え方

ここからは具体的に完璧主義者をやめる方法について見ていきましょう。

1、現実世界に「満点」は存在しないと知る

先ほども述べたとおり、定期テストではない現実世界には100点満点は存在しません。

これは条件によって正解が変わったり、あなたに関わる人たちの考える正解がそれぞれにあるからでしたよね。

あなたが「これは完璧だ!」と思って作ったプレゼンの資料も、意地悪な上司によって揚げ足取りされてしまうことだってあるでしょう。

そういった人たちに合わせて資料を何度も作り直しても、「前のほうが断然良かったのに」などと別の人が言ってくるかもしれません。

するともうキリがありませんよね。

だからあなたがどんな答えを提示したとしても、それが満点であることはありません。

その場の人すべてに受け入れられ、「完璧な資料だった、完璧なプレゼンだった!」と褒められることもあるでしょうが、別の場所に行けばわかりません。

逆に失敗したとしても、同じことが言えます。失敗だと言われた答えが、別の場所では「大正解!」なのかも。

このように、満点が存在しないと知っていれば、満点が取れなくて落ち込むこともなくなるのです。

2、完璧主義は他の人を追いつめることがあると知る

あなたが完璧主義ですべてにおいてパーフェクトな対応をしていると、他の人を追いつめることさえあります。

たとえば、仕事の同僚はあなたの完璧っぷりを見て

「自分もあそこまでやらなくてはいけないのか?」

などとプレッシャーに感じることもあるでしょう。

また、あなたの恋愛相手は、

「あんなに完璧にやられたら、俺の出る幕がない。まるで自分が無能なように思えてきた……」

などと思うかもしれません。

完璧主義者がいるばかりに、周囲の元気が奪われてしまうことがあるんですね。

あるいはこんなこともあるかもしれません。

新人の仕事が遅いため、

「自分でやったほうがいいで出来だろうし、早く済む!」

そう思った完璧主義のあなたは、新人の分の仕事まで完璧にやってしまいました。

しかしこれでは、あなたは以下の大切なものを壊してしまったことになるのです。

  • 新人が仕事のやり方を覚え、成長する機会
  • 新人に「あなたやあなたの能力を信頼しているわよ」という思いを示すこと
  • 上記の2つを通して築けたはずの後輩との良い関係

他の人にある程度仕事を任せるというのは、その人が「これぐらいの仕事、あなたほどの人なら余裕でしょう!」と信頼しているからこそ、できるのです。

自分の完璧主義を押し通そうとするあまり、

「あなたの能力が低いから、この仕事もできないだろうと私は踏んでいるわ」

というマイナスなメッセージを発信してしまっては、その後の人間関係に悪影響が出てしまいます!

あなたが完璧主義をやめれば、周囲もよりリラックスができ、関係も良くなることをぜひ知っておきましょう。

3、目標はチームワークの力で達成するものだということを知る

学生時代の定期テストと違って現実世界に正解はない、ということは先ほどから繰り返し書いていますが、もう一つ定期テストの問いと、現実世界の課題で違うのは、チームワークの重要性です。

定期テストでは自分1人でがんばり、満点を取れればOKでしたよね。

しかし、現実世界では1人だけで物事をやり遂げる場面はまれです。

会社のプロジェクトはリーダーがいたとしても複数人のチームで行うのが普通だし、1人で何かを立ち上げるにしても他の人の手助けがなければ目標を達成できません。

もしもあなたが何かを提案して、それがその場では「70点」くらいの出来だと評価されたとしましょう。

完璧主義のあなたは70点という評価に落ち込むかもしれません。

しかし、そこからさらに仲間とのチームワークによって点数を底上げできるんです。

Aさん「ここを工夫すればもっと良くなるんじゃない?」+10点
Bさん「私はこういうことが得意なのでフォローできますよ」+15点
Cさん「資金面が問題だったけど、出資してくれるスポンサー見つけましたよ!」+15点
=110点!

あなた1人が全力で突っ走らなくても、チームワークの力で無理なく問題を解決することができるんですね。このような助け合いのシステムができれば、あなただけではなくチーム全体の能力が上がっていくので、その後の仕事もうまくいきやすくなります。

4、あなたのチャンスやあなたのした提案はその場で終わりではなく、2回目3回目でより良くでき、それは成長のアピールとなる。

完璧主義の人の多くは

「最初からパーフェクトにやらなければいけない!」

という思いこみがあります。

最初の一回というのはとても大事ですよね。

入社試験やさまざまな面接など、「たった1回」があなたの人生を左右することだって確かにあるのでしょう。

最初からパーフェクトなことをして、周囲から「おお!」と評価されるのはすばらしいことです。

しかし、それでは2でも書いたように、

「あんな完璧にやられてしまうと、自分はやりにくいなぁ」

と思う人が出てくるかもしれない。

さらに言えば、あなたを評価する立場にいる上司なども

「上司という立場上、何かアドバイスしなくてはいけないが、あんなに完璧だととっつきにくいぞ」

と思うことがあるかもしれません。

逆に最初はパーフェクトではなくても、

「この点は後ほどさらに深めて質を上げようと思っている部分なので、何かアドバイスをください」

と明らかにしてしまったほうが、

「私の出番だな。その点アドバイスしてやろう」

「私のことを頼っているんだな。かわいいやつめ!」

などと評価が上がることさえあるのですよ。

その後実際にアドバイスを受け、磨き直したものを見せれば

「よしよし、良くなってるな! 私の力添えあってこそだ!」

といい気分になってくれた上、あなたが成長した部分をわかりやすく示すことができます。

最初の1回から完璧な状態だと、完璧を保つことに必死になり、頑張り続けて苦しい思いをします。

が、1回目の完璧ではない状態から、周囲の意見などを上手に取り入れて2回目、3回目とよりよくしていければ、苦しい思いをしなくて済む上に、「最初に比べてこれだけ良くなりました!」というあなたの成長もアピールすることができるんですね。

最後に――苦しい完璧主義ならやめてしまおう

いかがでしたか。

完璧主義の良くない点について詳しく書きましたが、「なるべく良い成果をあげたい!」と努力すること自体はとてもすばらしい心がけです。

そのようにできる人が少ない中、完璧主義を貫けるあなたは魅力的な人なのでしょう。

しかし同時に完璧主義が周囲も自分自身も苦しくさせてしまう面があることが確かであり、行きすぎると強迫観念(あまり意味はないことにとらわれるあまり、日常生活でも苦しくなり支障が出てしまうこと)となります。

今回の内容をお読みになったことで「完璧主義をやめてしまってもあまり困ったことにはならなさそうだ」ということをわかっていただけたかと思います。

いきなりすべてを変えるのは難しいと思うので、どこか生活の一部だけ完璧主義をお休みしてみて。きっと疲れた心が休まるのを感じられるでしょう。