身近な恋愛をうまくいかせる「近接の要因」と「単純接触効果」とは?

身近な恋愛をうまくいかせる「近接の要因」と「単純接触効果」とは-01

あなたの初恋の人や、今好きな片思いの人ってもしかしてあなたの身近な人ではないですか?

同じクラスメイトや先輩や後輩、もしかして幼馴染?

私たち人間が身近な人と恋に落ちやすいことは、心理学の研究結果から明らかになっています。

それは「近接の要因」と呼ばれる現象と、「単純接触効果」と呼ばれる現象の2つで説明ができるのです。

この2つの心理学を知っていれば、あなたの片思いの恋愛にも活かせるんです!

「近接の要因」とは?――どうして私たちはより身近な人と恋に落ちるのか

職場や学校が同じだったり、ご近所さんだったり……いわゆる「距離的に近くにいる人」に対して私たちは好意を抱きやすいことが、心理学の研究からわかっています。

と言っても、これはある意味当たり前の話なのです。

もしもあなたが知らない人ばかりたくさんいるパーティー会場に出席し、「誰かと話さなきゃ!」となれば、おそらく一番近くにいる隣の人に話しかけることでしょう。

この時、肉体的に近くにいる者同士(あなたと隣りにいた人)で無意識に「私たちは1つのまとまり(グループ)だわ」と、認識しています。

このまとまりの意識は、肉体的な距離が近ければ近いほどに強まります。

同じ学校→同じ学年→同じクラス→隣の席、という風に。

ある心理学の実験では、同時に2人の人と会話した際に、2メートル離れた場所のAさんよりも、50センチメートル離れたBさんに好意を持つという結果が出ました。

近距離にいることで相手への好意が高まるこの現象を、心理学の言葉で「近接の要因」と呼んでいます。

「近接の要因」を知って片思いに活かす!

近接の要因について知っていれば、あなたの片思いの恋愛でも活かすことができるでしょう。2つの状況を例に挙げてみていきましょう。

例1、よく行くコンビニの店員さんに片思いしてしまった!

大学の帰りによく立ち寄っていたコンビニの店員さんを、好きになってしまったあなた。

このケースだと、今のところコンビニの店員さんとあなたは「同じグループ」ではありませんよね。

しかしもしも以下のようなことが起きれば、あなたと彼は近接の要因により、好意を高めることができるかもしれないのです。

  • 彼と雑談したら、なんと出身中学が同じで、担任の先生も同じ人だったということが判明した!
  • あなたがアルバイトとしてそのコンビニに勤務しはじめ、その片思いの店員さんとバイト仲間になった!

「同じ中学でしかも担任が同じ」という事実は、相手に「僕達って同じグループだね」と思わせるのにじゅうぶん。

また、そのような事実がない場合でも、あなたが同じバイトを始めることで、相手と同じグループになることが可能なのです。

例2、同じ大学の先輩に片思いしてしまった!

同じ学校や職場の人に片思いをしているケースでは、すでに「同じグループ」と思わせるのにじゅうぶんですが、さらに肉体的に近距離のグループにいたほうが好意は強まります。

たとえば、高校生のあなたと親友が同じ大学に入学することになったとしましょう。

しかし学部は別々のため、あなたは東京の校舎に通い、親友は神奈川の校舎に通っていたら、心理的にも距離が生まれてしまい、「同じ大学の甲斐がないなぁ」なんてきっと思ってしまうでしょ?

ですから、心の距離を縮めるには、単に同じ大学というだけではなく、

同じ校舎→同じ学科→同じサークル・同じゼミ

という風に「相手と同じグループに入り、さらにそのグループを小さくしていく」ことが大切なのです。

同じ大学の先輩に片思いをしているのならば、彼の所属しているなるべく小さいグループに自分も入るようにすればいいのですね。

同じ職場の同僚に片思いをしているのなら、その人がよく行く社内グループの飲み会に参加するなどすればOKなわけです。

片思いの恋愛では「単純接触効果」も応用しよう!

また近接の要因とは別に、「人はたくさん接触した相手に好感を抱きやすくなる」という心理学の研究結果もあります。これを「単純接触効果」と呼びます。

あなたにはこんな経験はないでしょうか?

お気に入りの番組の合間に、よく流れるテレビコマーシャル。

特になんとも思っていなかったのに、気がつけばふと口ずさんでいる……なんて。

これも単純接触効果のひとつ。最初は特になんとも思ってなかったのに、いつの間にかじわじわとあなたの頭の中に入り込み、慣れ親しんだもののようになっていたわけですね。

さて、単純接触効果は以下のように恋愛でも応用できます。

  • 片思いの相手と会う頻度を上げる
    挨拶をするなどして、なるべく相手に印象づけるようにしましょう。印象づけられない場合、相手が「会っている」という感覚にならないので意味がありません。相手の視界に入っているだけではダメなのですね。
  • 物を利用してあなたを思い出させるようにする
    物を貸し借りしたり、ちょっとしたものを差し入れるなどして、物を見た相手があなたを思い出すように仕向けるのです。
  • 会えない時にはLINE・メールで雑談のやりとりをする
    ちょっとした雑談でのやりとりを楽しむのもいいですね。ただしやりすぎると、あなたそのものの特別感が薄れてしまうので要注意です!あくまでも短いやりとりにとどめましょう。

近接の要因と合わせて上記のテクニックを使えば、あなたの好感度は上がりやすくなりそうです。

ただし注意しなくてはいけないのは、単純接触効果は100%効果が期待できるものではないということです。

たとえばあなたが単純接触効果を狙って上記のテクニックを使うことで、片思いの彼から「ウザい!」とかえって好感度が下がる場合すらあるのです。

これは恋愛には最初の印象がとても大事だということが関係しています。

初対面の際、片思いの彼があなたにあまりいい印象を持たなかった場合、これを覆すのは大変。

いい印象のない相手からたとえば

「これ貸してあげますよ♪」

なんて物を押し付けられたら、良い気はしないのです。

最初の段階で良い印象を与えれていたときにこそ、効果の発揮できるテクニックなのです。相手の顔色をよく見て、「あまり楽しそうじゃないな」と感じたら引いてみましょう。