台風や地震など災害の多い国日本。
自然は私たちに豊かさを与えてくれますが、時に一変して脅威ともなります。
私たちに今できることは災害への備え。
今回は、女性が具体的にどんなものを備えておくべきか、そして災害大国日本で生きるということについて考えてみましょう。
女性が災害時のために用意しておきたいもの
大きめのマスク
被災時には水が不足して顔も洗えないし、化粧もできません。
普段から「メイク命!」な女性にとってはかなり辛い状況です。
そのためのすっぴん隠しとして使えるのが、大きめのマスク。
もちろん感染症の予防としても使えますし、避難所でのプライベートのあまりない生活では侮ることなかれ、立派な「心の壁」の役割を果たしてくれます。
大判ストール
冬場に限らず、冷え性な人は特に必ず用意したいのが大判ストール。
暖を取る以外にも、マルチに使えます。
たとえば、
●揺れの影響でガラスの破片などが散らばった場所を歩く場合に、一時の安全のために上にかける。
●プライバシーのない避難所生活での目隠しとして。
などなど。
好きなお菓子
「好きなお菓子」なんて書くと、「災害時にそんなこと言ってられなくない?」と思う人もいるでしょうが、これ、とっても大事なんです。
というのも、災害時は心も身体も追いつめられた苦しい状態です。
そんな時に、普段食べ慣れていない、あまり美味しくない食べ物を食べるのはストレスになります。
だからこそ自分の好きなお菓子を用意し、「緊急事態だからこそ自分を癒やしてあげる」ということが効果的なんですね。
このことは次項の「ローリングストック法」という備蓄方法でも触れます。
カップ付きキャミソール・タンクトップ
避難所は自分や家族以外の人も多くいる状況ですから、リラックスした格好をするにも限度があるし、まさかノーブラで過ごすわけにはいきません。
そこで活用したいのが、カップ付きのキャミソールやタンクトップ。
ブラジャー+キャミソールと比べ、一枚で済むので非常用持ち出し袋の中でかさばらないのもいいですね。
赤ちゃんのおしりふき
お風呂も入れない、顔も洗えない状況で欲しくなるのがウェットティッシュの類です。その中でも赤ちゃんのおしりふきをオススメする理由は、ノンアルコールで刺激が少なく、汎用性が高いから。
身体や顔を拭く以外にも、ちょっとした掃除にも使えます。
また、デリケートゾーンを清潔に保つにも便利ですね。
生理用品(ナプキン、タンポン)
災害時だろうが被災時だろうが、生理はやってきます。
むしろストレスによって生理周期が不順となり、リズムが読めなくなることも。
被災時での支援では、食糧などが優先されてしまうために、生理用品は手に入りにくくなります。
そのため、非常用持ち出し袋の中に常備しておくことが大事。
かさばらないタイプの生理用品がオススメです。
具体的なオススメのメーカー・ブランドは、ユニ・チャームの「センターインコンパクトスリム」。
その名の通りのコンパクトさで、普段使いにも向いていますし、何よりデザインがかわいい!
被災時という緊急事態だからこそ、「かわいいもの」を身近に置くことで心が慰められる効果もあるでしょう。
タンポンは長時間取り替えなくて良い点で便利。
「タンポンは使い慣れてないよ~」
って人は、慣れのために普段から使ってみるのも手かも。
ちなみに、生理用品は生理時だけではなく、ケガをした際の手当にも使えるということを覚えておくといいでしょう。
災害時のための備蓄方法、「ローリングストック法」ってなに?
有事に備えて、ご家庭で食糧のストックをしている人たちも多いと思います。
その中でも最近特に注目されているのが「ローリングストック法」と呼ばれる備蓄方法です。
今までの備蓄方法は
◇賞味期限・消費期限の長いものを有事のためだけにストックしておき、年単位で定期的に入れ替える。
というのが主流でした。
これって悪くは無いですが、決定的なデメリットが2つあります。
◇今までの備蓄方法のデメリット1
消費期限、消費期限を見逃しがちで、「有事なのに食べられない備蓄」になりかねない。
◇今までの備蓄方法のデメリット2
有事の際、乾パンなどの食べ慣れてないものを食べることになる。「被災している」という非日常な体験の中で、さらに非日常な食べ物を食べるのは想像以上にストレスになります。
「ローリングストック法」はこれらのデメリットを解消する新しい備蓄方法。
その具体的なやり方は以下のとおりです。
カップ麺や乾麺、好きな缶詰やドライフルーツやお菓子(ビスコやリッツがオススメ)などをストック。
↓
それらを日常生活の中で普通の食事に取り入れ、消費していく。
↓
ストックが半分ほどになったらさらに追加で購入する。
↓
また消費していく。
読んでお分かりになる通り、ローリングストック法で扱う食べ物は、私達が日常的に食べているものなので、災害時には抵抗なく食べることができ、ストレスになりにくいんですね。
この「有事ためのものを日常生活に取り入れる」という発想は、食べ物だけではなく他の災害グッズにも応用できます。
たとえば
「災害時のために買った多機能ラジオだけど、肝心の災害時にはじめて使うので、あまり使いこなせない」
といったこともあるでしょう。
「災害グッズを日常に取り入れる」、これを意識するだけで、もしもの時の備えとなるのです。
震災大国日本で生きるということ――震災は『自分事』なのだ
日本はもともと地震の多い国であり、それは他国の比ではありません。
昔から日本は何度も何度も、大震災を乗り越えてきました。
それこそ縄文時代、飛鳥時代、江戸時代、すべての時代で大きな地震があったのです。
今私達が生きている平成という時代も例外ではありません。
特別な時代ではないのです。
人間には幸せなことに、過去から学ぼうとする能力と、よりよくしようと思う心があります。
それがなくならない限り、私たちは何度も立ち上がることができます。
そして、時に脅威となる自然は、私たちに大きな恩恵をもたらしてくれるものでもあります。
大地を揺るがす地震ですが、日本の温泉は私達を癒やします。
津波が押し寄せる海は、美味しくて豊かな海産物を与えてくれます。
それらは日本の、大きな大きな魅力であることは間違いありません。
こういったことを私が書いても、
「歯の浮くような、キレイ事だ」
「お前は震災や、被災者をばかにしているのか」
なんて思う人がいるかもしれません。
しかし、私がここで問題としているのは、震災が起きるか、起きないかではありません。
生活を揺るがすような、何か大変なことが起きた時に、「どれだけ自分や愛する人を思い、具体的で効果的な行動ができるか、またその備えができているか?」が重要なのです。
震災で精神的に、肉体的に打ちのめされるのは普通のこと。
ではその打ちのめされたあとに、どう行動していくか・また自分が被災したのではなくても、どのような支援ができるのか、を考える。
「震災・災害は他人事ではない、『自分事』だ」