海外のセレブがファッションアイコンだったり、ハーフのタレントがもてはやされたりする時代になって、もうかなりの年月が経ったのではないでしょうか。
でもだからこそ、日本人の持つ本来の美しさを思い出してほしいです。
たとえば、江戸時代の娘たちだって、私たちと同じでおしゃれやメイクや恋に大忙しでした。
相手に振り向いてもらうためにたくさんの努力をしていたんですよ。
毎日着物を着ることは無理でも、そんな彼女たちから学べる女子力アップのヒントはたくさんあるのでご紹介したいと思います。
帯結び〜ファッションは小物で工夫する〜
着物の気付けを息苦しいものだと思っている人は多いそうですが、本来着物はゆったりと着るものでした。
今のようにしっかりとした補正をして着る方法は、明治以降に西洋のコルセットの考え方が入ってきてから定着したもの。
ですので、江戸の娘たちは苦しくない着方で、ラフな着こなしを楽しんでいたのです。
季節ごとに着物を新調することができるのは、お金持ちの娘だけ。
庶民の娘たちは古着屋さんで買うのが普通でした。
江戸はリサイクルの文化が行き届いていた町だったのです。
娘たちは手に入れた着物を帯結びに変えたり、小物などで変化を付けたりして楽しみました。
ベーシックなアイテムは同じだけど、アイテムの工夫で新しい着こなしをする――これって数年前から注目されているパリジェンヌと同じやり方。
そう、江戸の娘たちだって同じことをずっとやっていたんですね。
今の私たちが真似するなら、スカーフやストールの巻き方を変えたり、ベルトにしてみたりする工夫。
そしてこだわりの小物を取り入れて、ファッションの表情を変えてみましょう。
ヘアアクセサリー〜かんざしは現代でもカジュアルに可愛く使える便利アイテム〜
最近はいろいろな種類の可愛いヘアアクセサリーが手軽に手には入るようになりましたね。
特に髪の毛をまとめるためのバナナクリップやシュシュは、どなたでも一つくらいもっているのでは?
江戸時代にもヘアアクセサリーはかかせないおしゃれのアイテムでした。
くし、こうがい、かんざしがそれです。
特に今の私たちが手軽に真似できるのはかんざし。
かんざしというと、しっかりしたヘアセットに付けないとおかしいように思う方もいるかもしれませんが、いえいえそんなことはありません。
かんざしは使い方にコツがあって、肩くらいの髪の長さがあれば誰でも手軽にアップスタイルにできます。
やり方は以下です。
左利きの方は左右を逆にして試してみてください。
一度覚えるととても簡単に素早くできますし、なにより可愛いので本当におすすめ。
それに、髪の毛をさっと結い上げる仕草って、とっても色っぽいんですよ。
男の子も意外と見ているので、話題に上ること請け合いです!
うなじの手入れ
さて、かんざしで髪の毛をアップしたら気になるのはうなじのお手入れです。
江戸の娘たちもうなじのお手入れには気を遣っていました。
現代人も、浴衣を着る機会のある夏には特に気にして欲しいポイントです。
江戸時代は髪結(かみゆい)さん、今で言う美容師さんに処理してもらっていたのでしょうから、私たちもシェービングの専門店にいくのが良さそうですね。
今はエステ感覚のお店がたくさんあるので、自分へのご褒美代わりに行ってみるのもいいでしょう。
スキンケア〜ぬか袋で艶肌に〜
スキンケアに「ぬか袋」を使ったことがありますか?
今では石鹸や洗顔フォームがありますが、その代わりに使われていたのがぬか袋です。
ぬかを入れた袋で顔や体を優しく、なでるようにして洗います。
今でも品ぞろえのいいお店で売っていたり、ネットショッピングで購入することができます。
でも手作りでも簡単にできますよ。
ぬかはお米やさんで安価でわけてもらえるでしょう。
ちいさな巾着袋を作るのもいいですが、ハンカチの中に入れてまるめるだけでもOKです。
一回使うとぬかの成分が悪くなるので、使いきりにしてくださいね。
「都風俗化粧伝」(みやこふうぞくけわいでん)はメイク雑誌の元祖
本屋さんに行けばメイク雑誌が溢れ、インターネットで検索すればメイク方法がたくさんヒットする現代。
でも江戸時代はそんなに便利じゃありませんでしたから、一つの優れたメイク本が大ヒット。
それが「都風俗化粧伝」という本です。
図をたくさん載せたわかりやすい内容で、扱う項目もメイク方法から美肌指南、おまじないまでと多岐にわたっていました。
今も江戸時代も美容に必死な乙女心は、全く変わっていませんね。
今は情報に溢れているぶん、何を信じていいのか逆にわからなくなることもあるかもしれません。
自分の中で「これだ!」と納得した軸を持って、美容にも励みたいところですね。