真珠の種類と手入れからマメ知識まで!

真珠の種類と手入れからマメ知識まで-01

真珠といえば、柔らかい光を放つ美しさと清潔さを兼ね備えた「海の宝石」ですよね。

真珠にはさまざまな種類がありますが、イミテーションパールでないのならお手入れ方法は共通しています。

今回は真珠のマメ知識からその種類やお手入れ方法まで、まとめてお届けします。

はじめに――真珠の歴史とマメ知識

真珠や珊瑚(サンゴ)は日本では深くから親しまれてきましたが、宝石の中ではやや特殊な存在です。

というのも、宝「石」と名のつくのに鉱物ではなく、生き物が生み出すものだから。成分的には貝殻と同じです。

真珠は古くは薬の材料にもなっていて、かのクレオパトラもイヤリングにするだけでは飽きたらず、真珠を酢で溶かしたものを飲んでいた――なんて話もあります。

それほどまでに真珠の持つ柔らかな輝きは人の心をとらえ、神秘的で美に通じるものとして親しまれてきたのですね。

世界中が真珠の養殖を夢見、研究が進められ、1893年にある人物が世界で初めて養殖に成功します。それが御木本幸吉という日本人であり、あのミキモトの創業者なんです。

真珠の代表的な種類5つ

「真珠」と一口に言っていますが、その種類はいくつかに分けられます。

ここは代表的な5つをご紹介しておきましょう。

1、アコヤ真珠

アコヤ貝から生まれる真珠で、真珠のうち最も代表的なもので、「和珠」とも呼ばれます。世界中で取引されるアコヤ真珠のほとんどは日本で養殖されたものです。

アコヤ貝の性質上、丸く美しい形になりやすいのですが、大きさは約2mm~約9mmと小粒のものが多く、10mmを超えると高値で取引されます。

色味はシルバー系、ゴールド系、クリーム系、ピンク系、グリーン系、ブルー系とさまざま。日本ではピンク系の色味が人気のようです。

2、タヒチ真珠

産地はほぼタヒチの、別名「ブラックパール」「黒真珠」。

その名の通り黒い真珠で、黒蝶貝から生まれたものをこう呼びます。

今は真珠を人工的にカラーリングすることも可能ですが、黒く染めた真珠をブラックパールとは言いません。

カラーはもちろん黒ですが、濃いグレーや緑がかった黒など、そのツヤはさまざまです。

3、南洋真珠(南洋白蝶真珠)

白蝶貝の真珠のことを南洋真珠と言います。真珠貝はなんと30cm以上になることもある大きな貝のため、それから生まれる南洋真珠も19mmくらいのサイズが育つことも。

ゴージャスなジュエリーで使われている大きな真珠は、だいたいこの南洋真珠です。

色味はゴールド系かシルバー系ですが、まれにブルー系が育つこともあります。

4、淡水真珠

イケチョウ貝から生まれる真珠で、現在はそのほとんどが中国で養殖されています。

核を挿入しない関係で、さまざまな形の真珠が作れるのが強み。

基本的には小玉ですが、最近では技術の向上で10㎜以上の大玉も作られています。

色味も豊富で、手に取りやすい真珠です。ちなみに、ハンドメイドのパーツとして売られているパールは、淡水真珠かイミテーションパールです。

5、イミテーションパール(人造真珠)

人工的に真珠に似せて作ったもので、「プラスチックパール」「コットンパール」「ガラスパール」「貝パール」などがあります。

イミテーションだから悪いというわけではなく、プラスチックやコットンパールは軽くて扱いやすいというメリットも。

華やかなデザインをリーズナブルに楽しめるのも大きな魅力です。

正しい真珠の手入れ方法

真珠はあまり強くはない宝石のため、お手入れがずさんだと劣化してしまいます。

正しいお手入れを覚えておきましょう。

  • 使った後は柔らかい布で拭いて、光の届かない場所に保管
    真珠は汗に弱いので、使用した後は必ず拭きましょう! 変色の原因になります。また、熱、光、乾燥、湿気にも弱いため、暗い所で保管しておきましょう。
  • 真珠はとても傷つきやすいので他の宝石と一緒にしない
    真珠は傷がつきやすい宝石のため、他の宝石と一緒に保管してはいけません。たとえば、非常に硬い特性のダイヤなどと一緒に入れておくと、真珠がダイヤに傷つけられます。
  • 家事やメイクアップの時には真珠は触らない・着けない
    洗剤や化粧品の成分に反応して品質が落ちることがあるので、家事中やメイクの際には真珠のジュエリーは外しておきましょう。ドレッシングや香水などは真珠の表面を溶かしてしまいます。真珠を身に着けるのは、メイクが終わって手についた化粧品や整髪料をきれいに洗ってからにしましょう。

イミテーションパールは本物の真珠ではないので、「一生モノ」という感覚ではないのならあまりこまめにお手入れしなくてもOKです。

真珠に関するQ&A

Q、結婚式などのフォーマルな場では、やっぱり本物の真珠を身につけたほうがいいの?

A、輝きや格調高さという意味ではイミテーションパールは本物には勝てませんから、可能であれば本物を着用することをおすすめします!

しかし、

「宿泊での結婚式で、紛失するのがこわい」

「どうしてもお財布がきつくて本物が用意できない」

「イミテーションパールのアクセサリーのほうが華やかで好みのものがある」

などという場合にはこの限りではないですよ。

Q、「花珠(はなだま)」ってなに?

A、花珠とは、アコヤ真珠のうち特に品質の高いもののことを言います。照りや形などの美しさを総合的に判断します。

花珠を証明する鑑定書もありますが、ダイヤのように一貫した世界的な指標が存在するわけではありません(参考「ダイヤモンドの4Cとフローレスダイヤモンドって何?」)。

Q、「バロックパール」ってなに?

A、真珠は丸いものがいいとされてきましたが、近年ではいびつな形の真珠もそれが個性として取引きされています。それがバロックパール。

今では養殖真珠ばかりとなって形の良い真珠が増え、むしろいびつな形の真珠が減ってしまったことから、新たに注目されているようです。